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「キャロル嬢が優秀すぎて私の仕事も手伝ってもらいたいくらいでしたよ」
食事中、そんな褒め言葉を貰って思わず嬉しくて頬が緩む。
「エルク様のお手伝いでしたらいつでも大歓迎です」
「あらダメよ。リリアの有能性を陛下に見せたら陛下もう二度とリリアを手放さなくなるわ」
そうだった。エルク様は陛下の仕事を手伝っているんだった。
エルク様のお手伝いはしたいけど、たぬきおやじに捕まるのはやだなーと困っていると、隣から伸びてきた手に頭を撫でられた。
「冗談ですよ。でもそれほど優秀で驚きました」
なでぽなでぽー。
デレデレしていると『かお、かお』とリェスラに突っ込まれたのでシュッと顔を整える。
「リリア嬢は明日はどう過ごされますか」
「明日はマナーと歴史のお勉強が終わったら母様のお手伝いをして、既存の魔道具を調べて、魔法の特訓をしようかと」
どうしても上手くいかないんだよねーカメラ。
なにかいいヒントがないか色々と見たり試しているけどさっぱり。
なのでとりあえず毎日のスケジュールをいえばエルク様と母様が何故か目を合わせてーーーー
「リリア嬢が忙しいならデートは無理ですね」
「行きます!母様、明日の分のお仕事今夜手伝います!」
「良いわよ気にしないで。遊んでらっしゃい」
「いえ、南の天候が優れない日が続いているのが気になるのでその報告書をまとめたいです」
「ハイハイ、執務室の鍵はかけておくわね」
「母様!」
なんて意地悪をするんだ!と思いつつも明日の服装はどうしようと思い、食事をしている場合じゃないと気づいて
慌てて残ったご飯を食べて、
ごちそうさまー!と2人を置いて部屋に走った。
そんな私を母様とエルク様とイェスラはニコニコ笑ってみていた。
「リェスラ、明日の服どうしよう!」
『なんでもいーんじゃないー』
「イェスラ、エルク様の好きな服装は!」
『リリならなんでもいいんじゃねーあいつリリに甘いからー』
#うちの精霊が鬼畜です改 うおおおおおお!
お布団の上でまったりゴロゴロしてる精霊達を後目にクローゼットの中をひっくり返す。
フリフリ!
ふりふり!
FuriFuri!
パジャマ!
ダメだ…全部かわいいけど全部変わんない…
もっとこう、なんというか!
『てーかさー』
「何!いい案でもあるの!」
『5歳児がいっくらおしゃれしたって5歳児なんだから諦めろよー』
「確かに。エルク様とデートって言ってもどう控えめにみても兄妹のお出かけ…」
『んだんだー』
なるほど、と納得して速攻で無駄な抵抗は諦めた。
何をどうつくろっても、今の私に似合うのはふりふりだ。
はあ、とため息を着いて母様の仕事のお手伝い…と思ってもまだ食事中だと思いいたり迷った末に失敗中のそれに手を出す。
カメラ。エルク様のスーパーショットを納めたいそれは大変苦労をしていた。
プリントアウトで白黒で出来ると思ったら間違いだ。
陰影が全くできない。細かい点などを使って表現する方法も無くはないが1センチかける1センチほどの範囲を表現だけで満足いく物を作ろうとしたら、魔力操作がしんどすぎて泣いた。
何よりこれが大事なのだが。
プリントアウトは私のイメージを魔力塊でハンコのように押している。
つまり客観的じゃなくて、主感的なのだ。
初めて実験した時、白黒の奇っ怪な物を紙に焼き付けた時も泣いた。
どうやら私に絵心もないと知った。
客観的にそれを写し取るものの作成がひとつ。
さらにいえばそれをカラーで表現する方法がひとつ。
少なくとも現時点で打開策も見つからない。
つまり詰んでいる。
はあ、どうしようかなーと思いながら机の上の束にぼんやりと『プリントアウトによる魔法陣の焼き付け』の論文を書き込む。
1枚書き終わると風魔法でさっと完成品をずらして2P目を焼き込む。
論文の作成は、まるで日記のように毎日あったことで考えたこと、思いついたこと、試したことを書いている。
書くのはすぐ出来るのだ。メモっておけばのちのち役に立つかもしれないし、ちゃんとしたのが欲しい時はまた書き直せばいい。




