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0歳児スタートダッシュ物語  作者: 海華
課金のため就活編(第2章)
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6



プリントアウトのおかげでいつもより仕事が早く終わり

午後から好きにしていいと、どこかへ手紙を出す母様に言われたので。


とりあえず論文を書く。

1作目は『魔力濃度と魔力塊、無詠唱魔法』だ

2作目は少し迷って『魔力塊の消費魔力』にすることにする。


いやしかし、魔法は最高だね!


じゅっ、じゅっ、じゅっ


手書きだと1枚10分はかかるけどプリントアウトならその半分スピードで私が想像できる綺麗な文字で書ける。

手も疲れないし消費コストも少ないので本当に良い!


だがしかしこうなってくると気になるのはやはり効率化で。

頭に考えたことが直ぐに書面に出来ればいいのに。そのためには、うーむ。

定型文固定させた魔力塊を作るか。

いやでもいつまでも出したままは現実的じゃない。

となるとやはり…



「ねえねえリェスラー」


『なあにリリ』


「魔力操作の特訓って何かいい方法ある?」


陣を作る速さの問題=操作性の向上だ。

リェスラは目をぱちくりとしてから、困ったように頭を振った。


『リリは正直人間としては異常なくらい魔力操作、上手いけど…』


「でもねーもっと上手くなりたいんだ。」


『人間は本当、強欲ねえ』


リェスラはふわりと飛んで、私の肩に乗った。

そして私の前の方へ尻尾の先を出すと、


そこにぱっと複雑な形の氷が出現した。

宙に浮く氷は、普通では作れないような形をしている。


『ほら、同じの作ってリリ』


「はい!?」


『操作性の向上なんて所詮場数よ。リリは今まで本に書いてあった魔方陣を表現するだけだったでしょ?そうじゃなくてその場でぱっと陣を組み立てることに慣れていけばいいんじゃないの?』


つまり



習うより慣れろ、か。確かに間違ってない。


「わかった」


目の前の氷の形を目に焼き付けて、氷魔法の魔法陣の効果範囲だけを書き換える。

大丈夫、プリントアウトと同じだ。




そんなことを思っていた頃もありました…



「あーまた違うぅぅぅ!」



プリントアウトは、立体構造の結果じゃない。

書面に焼き付けるだけだから、高さは最小の効果でいいのだ。肝心なのは縦横だけだから。つまり2次元。


しかし氷の塊は縦横にくわえ高さもある。つまり3次元。



先日は3次元に喜び今度は3次元に泣かされている。


氷を作る魔法の魔力は元々大した消費でもないし、魔力塊でやっているから全然消費されない。なので魔力を気にせず行えるが


失敗も20回目になるとさすがに苛立ってきた。



『はい、溶けたから新しい氷ねー』


「もうちょいだったのにいいいい」


しかももたついて氷が溶けると、リェスラはお題の氷を変えた。

形状を寄せて寄せて、もうちょいってとこで形が変わる。

いや早く作れない私が悪いんだけど、その非情な鬼教官っぷりに涙が出そうだ。






午後にさくっと論文を書いてから始まった修行。

もう失敗した回数は覚えていない。


頭の中は常に「たてよこたかさ」でいっぱいで。

休憩なく修行を続けているのにリェスラは文句1つ言わずに付き合ってくれている。

いつの間にか出かけていたイェスラも戻ってきていたが何も言わず私たちを見守っていてくれていた。


理解しろ。理解するんだ、形を。

要は設計だ。目視でサイズを測り、それを上手く入力すればいいだけだ。


そして日が落ちたその時



「やった…!」


『ん、一致だねー』


「やったよリェスラ!!」


ようやく、初めて氷が溶ける前に同じ形の氷が出来た。と言っても2回失敗したあとのギリギリな感じだったが。できた喜びに感動し、リェスラを抱き上げてソファに座り込む。


すると抱かれたリェスラがまたしっぽを私の前に出した。



『はい、次』


そして現れる氷の塊。しかもさっきより細かい形をしている。



思わずそれを見て真顔になった私を見て



『ブハッ、リェスラきちくー』


イェスラがベッドの上で笑いころげていた。


とりあえず、先程完成した氷を掴みイェスラに思わずなげつけたのは秘密の話だ…。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公はエルクと出会って頭のネジが弾け飛んだのでしょうか…唐突な恋愛脳化に、中身がアラサーとは思えない短絡的な思考が続いて違和感を覚えます。チート能力を見せびらかすとロクな目に遭わない…
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