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0歳児スタートダッシュ物語  作者: 海華
ゲームルート決定編(第1章)
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2



「うぅぅぅぅ、んば!」


産まれて三か月。色々と分かってきた。

まず私は侯爵家の令嬢らしい。

んで、この世界には魔法がある。


ゲーマー心をくすぐる素晴らしい設定と初期ポジションだ。

そして基本的に寝るのが仕事の0歳児は暇なのでとりあえず起きてる間は疲れるまで手足を動かす。


「あう!あう!あーぶぅ」


早く鍛えて動けるようになり見聞を広めるのだ。あと文字書けるようになるのだ。

幸いなことにまだ色々と記憶はあるが、それらが薄れないように手足が疲れたら頭の中であれらを反芻する。

すると夢でスラ〇ムとチョ〇ボに追いかけられたのは怖かったが、忘れない記憶としては結果オーライ!



そして反芻が落ち着くと今度は呼吸を整えて集中をする。

母様が紙を飛ばしているのをよくよくよーく見たら、うっすらと見えない何かを感じた。

そのなにかは私の中にもあり、これは魔力じゃね?と魔法の源であるとあたりを付けたのは二か月前。

そして集中して体の中の力を循環するように使うと動きにキレがついて、さらに疲れが無くなるのがわかったのが一か月前。


「うあぅ!うっ!うう!」


それから毎日運動、知識反芻、魔力が尽きるまで魔法+運動を重ねている。

目指せ魔法チート!私は強くなって冒険者になるのだあー!



「あの、奥様…お嬢様の潜在魔力が日に日に目に見えて増えているのですが」


「あらあら、旦那様に似て強い子なのかしらねえ?」


「だあー!」







転生してから五か月。


「あぶううう」


リリアは寝返りをマスターした!

そこからは毎日腕を動かす運動をしていたからか、すぐにハイハイができるようになった。


「ほらリリア!こっちにおいで」


「あー!」


任せろ父様!だあんと両手を慎重に絨毯に打ち付け遥か彼方の両親のもとへ向かう(※ただのハイハイです)

しゃがんで嬉しそうに笑うイケマッチョと白銀の美女の二人はとても美しく、抱っこしてもらうんだ!と意気込み参るが、途中で腕が疲れてぺたりとへたり込んだ。


「ふっ…う、う、うぅ」


だああああもう動けよ手足!とジレンマから涙がにじむ。まさか父様が仕事休みとは知らず、朝のうちに日課の魔力運動まで済ませてしまったのだ。

父様に凄いところを見せたいのに…

すると慌てて父様が瞬間移動のような速さで移動して来て抱き上げてくれた。


「ああすまないリリア!でもすごいなあ!もうこんなにハイハイできるようになったのか」


「あうー!」


「あらまああなたってば。騎士団長なのに甘いんじゃないのかしら?」


「うちのリリアは天才だからな!」


任せて父様!リリアはチート目指すから!







八か月がたったころ、乳母や母様が絵本を読んでくれることが増えた。


「あーしゃま、まっ」


「はいリリア」


そのころにはなんとなく言葉の発声練習もしていたけど、そんなことより文字だ文字!

母様が渡してくれた絵本を読んで必死に文字を覚える。

母様の仕事部屋の隅で毛布まみれのリリア空間で絵本を見る。


えーっと、

お、ね…んん?ああ、が、いし、まと


おねがいしまと?

おねがいしますかな。


む、なんだこのつづりは読めないぞ。とりあえずそこは飛ばして、

で、げん、ぜいを…



おねがいします。○○でげんぜいを…




母様、これ絵本じゃなくて嘆願書じゃないですか。



「あぶぅー!あしゃま!」


「ん?あらリリアごめんなさいね間違えちゃったわ」









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