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0歳児スタートダッシュ物語  作者: 海華
課金のため就活編(第2章)
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4


朝起きて。イェスラの羽毛に顔をもふもふして、リェスラのなめらかな鱗をなでなでして。


『んーあさかー』


『あたし二度寝する』


モゾモゾと布団の中に入っていったリェスラ見てから身だしなみを整える。


「イェスラ、綺麗にして」


『おぅー』


昨日はそのまま寝ちゃったので、汗とか色々と気になるが朝早く使用人にお風呂を用意してもらうのも悪いのでイェスラに風で清潔にしてもらう。

息を止めれば慣れた様子で一瞬私を竜巻が取り囲んで、さっぱりした。



朝は朝なのだが、まだ太陽も昇っていなかった。

カーテンを開けてもまだ暗い空。

でもしっかり寝たし魔力もだいぶ回復しているのでもう活動することにする。


「イェスラはい、朝ごはん」


『さんきゅー』


まずはイェスラに魔力塊を作る。

あるうちに作らないと夜には魔力を使い切るのでだいたい魔力をあげるのは朝一番だ。

本当は精霊に魔法を使ってもらう時のみあげるのが通常らしいがうちはイェスラにもリェスラにも色々とお世話になっているので毎朝あげている。



「で、イェスラ温度変化で字を書くってどんな感じ」


『んー普通にやっちゃってんからなあ』


とりあえず見てみろよ。

そう言ってふわりと浮いた紙に、イェスラが魔力を見えるようにしてくれてサラサラと魔力が紙の上を滑る。

魔力の密度はさほど濃くない。まるで魔力がそのまま紙に付着しているかのような見事な魔法だった。


「その魔法、皮膚の上でやったら?」


『文章みたいな火傷ができるだろうな』


「なるほど危ない」


温度変化の魔法。そんな魔法陣はない。が、あったら暑い時とか寒い時とか便利だろう。

エアコン使い放題のようなものだ。


ちょっと考えて。

火の魔法陣と風の魔法陣をちょうちょう、スペシャル小さく組み上げてみる。

2mm程の魔力塊の魔法陣が限界だったが、その魔力塊は魔力よりも小さいゆえ組み上げるのがとんでもなくしんどかった。


組み上げた今も、気が緩めばバラけてしまいそうだ。


『リリ、これすごいけど無理してんだろ』


「集中しまくらないときつい…」


パタパタと、作った魔力塊の横に飛んで魔力塊をみながら首を傾げるイェスラ。


『サイズをもうちょい大きくして効果範囲を絞ればどうだ?』


「なるほど」


小さい陣がそのまま書くことをイメージしていたが、それもありだな。

魔力塊を1度身体に戻して、生クリーム絞り機のように効果範囲だけを小さくして構築し直す。


今度は精神的負担もどっと落ちた。

これなら行けるかもと思い机の上の紙に魔法を発動させる。


ジュ


「うわあ…」


すると魔法を当てたとこだけ紙に穴が空いた。


『火の魔法が強すぎるな。火と風のバランスを変えてみろよ』


「わかった」


その後試すこと5回目にして、ようやく紙に穴があかずに焦げ目が着いた。


これでようやく第1歩。

後はこの魔方陣を魔力で操って文字を書こう……と思ってから不意に思いついて効果範囲を広げる。

効果範囲は紙より少し小さいくらい。


『ん?リリ、文字書くんじゃないのか?』


「んー、ちょっと待ってね」


効果範囲は大きくして、効果内容も少し変える。

改造はわずか数秒のことで、そのまま魔法を発動させると。



『まじかー』


「操作で動かすのとどっちが楽かなあ」


ばっと紙一面の文章が焼き付けられた。


効果範囲を拡大した温度変化の魔法…それ即ち魔力で全文章を書き上げてそれを紙にハンコみたいに押した感じだ。


魔力操作で一文字一文字書いてみるのと、バンッと一度に印刷するハンコ方法。


数枚の紙で試して見たところ、魔法陣をねるのは大変だけど時間コストも魔力コストも集中力コストもハンコ魔法の方が楽だということが判明した。



と、言うことを実践がてら論文で書き上げると(焼き付けると?)


「お嬢様おはようございます」


いつの間にか日が昇っていて、使用人が起こしに来た。


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