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0歳児スタートダッシュ物語  作者: 海華
課金のため就活編(第2章)
17/177

2


面白くなってきた。


書庫で魔法陣の型の本を見ながらノリノリで組み立てる。



魔法陣は本来床や紙に書くとさっき言ったが。

そういったものに書く場合当然の事ながら最低限の大きさがあり、その大きさに見合った魔力が必要だ。


また効果が発動した陣は消えてしまうものらしい。



魔力塊の魔法陣の場合集中して組めば親指サイズの陣も作れる上に、1度魔法が発動してからも陣は消えず(1発じゃ魔力は枯渇しないからだろうか?)連発可能。


単発→連発なだけでも有能であるのに。

陣が小さいおかげで威力変わらずコストパフォーマンスがすっごいよかった。


具体的に言うとファイアーボルトが15→5くらい。破格チートハアハア!

まあ魔力塊作るのに1000くらい魔力練らないと行けないんだけど、333発打てる魔方陣を作ると思えばだいぶ安上がりだ。



そして魔法陣の型の本には既に複合魔法陣もあった。炎+土でマグマウォールとか。


2次元では厄介なそれも。

3次元でやるとすっごい楽だった。


立体的万歳!


とりあえず色々と試しまくってみようと、数種類の複合型を作っていると、不意に人サイズのリェスラに手をとめられた。


「どうしたのリェスラ」


『リリ魔法使いすぎ。そろそろ枯渇するわよ』


「え?ああ、本当だ。ありがとうリェスラ」


夢中になってる時は気づかなかったが言われて見れば残量がだいぶ少なかった。

そうだよな、色々な型を作っているとはいえ魔力塊を連続で使っているのだから。


「リェスラ、これ食べる?」


『たべるー』


とりあえず使用目的じゃないので、試し発動をさせた魔力塊は魔法陣を消してリェスラに食べてもらったり、自分の中に戻したりする。そして戻して回復した分でまた魔力塊を作る。


今は使わなくなった分を戻しているからそれで回復できるからいいが…将来的には電池のようなものが欲しい。


そう思いながら限界まで魔力を使うと、とりあえず部屋に帰った。







魔力が無くなったので、また執筆活動を続け。

手が痛くなったがもう回復する魔力もないのでとりあえず読みなおしで誤字脱字、伏線の貼り忘れを確認する。

神話の創始者たちはやはり神だったのだと、途中まで書き上げたストーリーを読んで心が躍る。


疲れも頭痛も吹っ飛び夢中になれる本。

ちゃんと完結まで向こうの世界にいてよかった…!


『ただーいま』


「おかえりイェスラ」


窓をコツコツとつつくイェスラを迎え入れて、指先を止まり木代わりにしてイェスラを乗せる。


『んーと報告。奴は魔力0体質だ。んでよく食べているものはパン、コーヒー。あいつ一日中ずっとおーさまの仕事の補佐やってて特に好きなものとかは調査不可だったからまたいくわー。そういやリリ明後日また城に行くってほんとか?』


「ん…知らない。んーそっか。イェスラありがとう。またちょこちょこお願いね」


『おう。ついでにお前使わないだろうけど自己満足で王権に不満もってやらかしそうなやつ調べといたわ』


「うん、いらないけどとりあえず報告書は受け取っておくね」


『ちっとは活用してくれよー』


けらけら笑うイェスラの魔力が紙の上を滑り、文字が浮かび上がる。

それはエルク様の報告書と、いらん反乱分子の報告書だ。


イェスラもリェスラも精霊の姿とは別に人型をとれるが、人の姿になるよりも魔法で書類を書く方がらくらしい。

当たり前のようにいつもやられているそれを見て、ハッとする。


「イェスラ、それ…魔法で紙に書くのってどうやってるの」


『ん?んんーなんていうかなあ。火の魔法の初期魔法以下というか、あれだ。ようするに焦げ目だよ』


「すごい弱弱しい火魔法ってこと?」


『いやもっと弱く、うーん』


『温度変化の魔法みたいなものよね。一応分類的には風魔法かしら?』


『あーそうかも。風を魔力で操って紙に焼き付ける、てきなものか?』


『魔法にもならない初期の魔力操作みたいなもんだからなあ。考えたこともなかったや』



温度変化。

空気をあっためて紙に焼き印するようなものだろうか。


「くっ、魔力回復しないと試せない…!」


『リリは毎日魔力使い過ぎよー』


『リリ魔力量多い方なのになんで毎日使い切ってんだよ』


けらけら笑う精霊たちにムッとしてほほを膨らませながら。

魔力もないし手もいたいし頭も痛いので


ベッドに飛び込んで目を閉じた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 相手がどんな立ち位置で自分がどんな存在か理解せず親の庇護下の元好き勝手やってるだけなら天才でも奇才でもなんでもないわな。
2022/01/09 06:10 退会済み
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