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0歳児スタートダッシュ物語  作者: 海華
旅立ち前の最後の仕上げ編
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さらにスピードも改良は可能だろう。馬車は振動を抑えるためにそこまで早くない。大人の全力疾走よりはやや遅く、騎馬よりは圧倒的に遅い。


「ねえイェスラ、私を抱えて本気出して飛んだらこの馬車より早く飛べる?」


『もちろん!と言うかリリ自分で飛んでも馬車より早いだろ』


そうだった。馬車から逃げ帰った実績がある。


『多分、倍以上早く飛べるぞ。でもそれ以上は人間が向かい風に耐えられるかが分からないなあ』


「あー、じゃあ箱状の物に人間入れて飛ぶとか」


『重さしだいだけど結構な速さ出せると思うぞ。でもリリ、速さも良いけどどれくらいの時間を飛ぶんだ?』


「20時間ぶっ通しとか」


『気を使いまくって疲れるからやだ』


「飛ぶことに疲れるんじゃないんだ」


『飛んでるのが普通だからな。リリだって20時間ぶっ通しで飛ぶのはしんどいだろ?』


「しんどいです」


普段から飛んでないから、確かにそれはきつい。でも言い換えれば長時間じゃなければ可能なわけで。

隣町とか隣の領までくらいならバッと飛んで行けるかな。


自家用ジェットとか夢みたいだよね。首を傾げるイェスラ見ながらそんなことを思う。


そんな私たちを見てトーマもフェアリーに尋ねていた。


「お前も俺と一緒に飛べるか?」


『無理!アレと一緒にしないで!』


「アレってどっちのこと言ってるんだと思うイェスラ」


『リリじゃないか』


即答で言い返されて、イェスラの頬をなでまくると楽しそうに頭をふりだした。


「と、言うわけで飛ぶことは一般的ではなさそうだからその案は無理そうだな。最短ルートって言っても山や街を潰す訳にはいかないし」


「え、地中に道を作ればいいんじゃない」


高速道路with地下鉄バージョンだ。

いや、普通に地下鉄か。


精霊に頼んでトンネルを掘る。そしてトンネルの補強もする。

移動も…そうだなあ、カールみたいなのに犬ぞりみたいに引いてもらうのもいいかもしれない。


さすがに列車とか電車みたいのは………送風の魔法陣で風を作り出して、上手いこと歯車に合わせて車輪を……


理論的には行けるのだろう。だが、ややこしい噛み合わせなどのプラモデルにようなものを想像して断念した。


それならば犬ぞりならぬ精霊ソリの方がよっぽど低コストで済む。ただし私の場合は、だけども。


私が呑気に電車に思いを馳せていると、トーマとエルク様が地図を辿って真剣に地下通路を設置したい場所を提案し始めていた。


「新しい運送の形になるかもしれないし、直通路と言うのはいいかもしれないね」


盛り上がるトーマとエルク様。


……帰ったらまたメルトスとアイザック殿下に仕事が増えそうだと、窓の外を見上げた。

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