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0歳児スタートダッシュ物語  作者: 海華
旅立ち前の最後の仕上げ編
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大遅刻申し訳ありません!水曜日という事を忘れてました……また今現在の私の書きやすい文字数が1500文字前後なためこの話から一話の文字数を減らせさていただきます。代わりに更新日を増やしますのでご了承ください。

しんみりとした空気。

それは一瞬で変わった。

トーマがにやりと笑ったからだ。


「魔法の討論は…今でも出来るだろ?おあつらえ向きにアイザックの奴も居ないし」


くっくっくと笑うトーマ。

ハッと気づいてふっふっふと釣られて笑う。

そうだ移動中は暇だし、暇つぶしに色々とやるのもやぶさかではない。メルトスも居ないから好き放題考えて破棄することも容易い。


アイザック様のために自重しようと思ってたけれど報告しないと言う選択肢もあるしね。


「……リリア、トーマ、ほどほどにね」


「はーい」


「おう」


エルク様(保護者)が諦めて匙を投げ、そこから私とトーマによる新魔法開発(ぼうそう)が始まった。


どんなものを考えるか。今考えている最中のものを詰めるか、と思っているとトーマが窓の外を見ながらぼそっと呟いた。


「…遠距離を直ぐに移動できる魔法とか、どうだ」


遠距離……もうすぐ別れることになる私たち。その物理的距離は、確かに遠距離だ。


「良いわね」


遠距離移動。ぱっと思いつくのはテレポートだ。

だがしかしこの世界、精霊を元にした元素魔法が多い。元素魔法にも便利な細々とした事が出来る無属性魔法にもーーーーー空間系の物は無い。


故に私は魔石をカールに預けてある。地中で保管をして貰っているのだ。


「ねえイェスラ、空間系の魔法とか精霊っている?時間系のものでもありだけど」


『……なんだそれ』


「えーっと…例えばこの馬車の中の空気を、そのままの状態で切り取ってほかの空気と混ざらないように別の空間…場所に保管とか」


『さっぱり分からないな…』


『あら、あたしなんとなく伝えたいことはわかったわよ』


「本当!」


『池の水をコップで汲んで、保管するようなものでしょ?』


「あー…?うん、それでそのコップを魔法でいつでも取り出せるようにする感じ…?」


『そーんなめんどーなことしないでー、その都度コップを作ればいいんじゃないのー?』


『そうね、持ち歩くよりその方が楽よねえ』


仲良く頷くカールとリェスラを見て、空間系の魔法の類がないことは把握した。

一から作り出すことも考えるけれど、糸口がさっぱり見えない。


と、なるとだ。

別の方法を考えた方がいいだろう。


「エルク様、旅程の地図はありますか?」


「うん、はいどうぞ」


差し出された地図を見る。旅程は馬車で十日間。夜通し走ることはなく、夕方になると野営または村の宿などに泊まる。


移動時間は事前スケジュールによると8:00-16:00。つまり一日10時間。

全100時間移動の予定だ。


100時間の道のりは当然だが、あちこちの山を迂回したり点在する村によるためと…とても周りくねった旅路だった。馬車であるためある程度舗装されてる道じゃないと移動出来ないのも曲がりくねった道の理由のひとつだろう。


ふむ、と考えて魔糸を紡ぐ。


糸を、道に張り合わせて行く。キャロル邸から初め、魔国の王都まで繋いだ糸は結構な長さになった。

そしてそれとは別に…一切寄り道もせず、最短距離で2箇所を繋ぐ糸も張る。


驚くことに、最短ルートの短い糸は旅程の長い糸の半分程の長さであった。


それを見て、トーマもハッとする。


「魔法は難しそうだけど……最短距離で移動をすれば半分の道のりで済むわね」


「そうだな…」


「また、現在は日中の約10時間を移動しているけれど、もし夜にも移動出来るようにすれば…」


「移動スピードは倍、か」


まだまだ荒すぎる提案だが。

考える余地はあるだろう。少なくとも影も形も見えない『テレポート』よりも余程現実的で……上手く行けば誰でも使えるようになる。最短ルート……高速道路は、確実に。




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