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天使 代行しています!!  作者: 大野K
第一章 守りたいもの
7/11

青空の屋上

僕の名前は神代 夕 (かみしろ ゆう)高校一年生。


絶賛悪魔退治中です。


「ぎゃああああああああ」


「あっちに行っただぜェ、夕!」


髪は茶髪で地毛です。身長168cm、まだまだ伸びることを祈って健康生活しています。

夜寝て、朝早く起き朝食を取ったら、いざ悪魔退治!これが日課になりつつあります。楽死い。



「ちょっとなんでこっちにくるのよ」


「逃げろ相棒!!」


「ちょっ、ちょっとまってええ」




あれから一週間が経ちました。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


僕の朝は人より少し早く始まる。朝日が昇って少したった、5:30。


「起きろ夕。朝の運動の時間だぜ。」


「うっ。うーん。」


寝ぼけながらも僕の頭を紅蓮がぺシペシ叩いてくれて起こしてくれる。


「慣れなさいよ。いい加減。」


そう言い制服に着替えてある彼女はベットに横たわる僕を蔑みながら決まり文句を言う。まぁ僕が慣れなきゃいけないんだけどね。どうしてもいやなことから逃げたがる人間の本心はこのお布団を手放さない。


「紅蓮頼むわ」


そう言い紅蓮は無理やり僕を起こし、いろいろ準備させ悪魔退治に出かけさせる。

そしてたどり着くのがプラプラの巣潰しだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そもそも悪魔とは。

簡単に言うと人の感情から生まれ、育ち、変化し、進化を遂げる生き物だという。

詳しい生態はわからない。なぜなら悪魔たちは向こうの世界?からやってくるらしいからだ。そして悪魔たちはいくらかの階級に分かれいているみたいで、だいたいこんな感じだ。


上位(1~3)

多くが自我を持ち非常に討伐困難。悪魔たちは武器や特殊の能力を持っている。

直ちに天界への増援の連絡をするように。


推奨:天使の大軍



中位(1~5)

1~3は自我を持っている可能性あり。中級はとても幅が広く1と5では天と地の差がある為注意が必要。

1は上級になりうる可能性があるので注意するべし。


推奨:中位以上は基本チームによる討伐が必須。1~3級の場合は多数のチームが推奨され、4~5級までを通常のチームが討伐できる基準とする。また個々でなら5級までが討伐できる。



下位(1~3)

主に新人天使や下位のチームが担当する。下位だからと侮ってはならない。特殊能力を持ってる場合もあり、自我がないため自身の身を考えず特攻する悪魔がいたという報告がある。また数が非常に多く、成長性が高いものも多いためなるべく早急に対処するように。


推奨:個人・チーム


ちなみに僕が最初の任務で討伐できた黒い狼は下位3級だ。


最下級

該当する悪魔はプラプラのみ。


プラプラ:人の負の情から生まれると考えられており、人の負の感情がたまりやすいところに巣を作り集団で生活している。すべての悪魔はプラプラから生まれる説や、真に最強なのはプラプラ説などくだらない説があるが、

悪魔がプラプラを取り込む姿が目撃されているため討伐が必須。


推奨:個々の天使が見つけ次第討伐すること。報告はいらない。



特級

あったら死を覚悟しろ。そう最初に習うらしい。

主に該当するのは数匹。確認次第逃げること、その次に連絡するように。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そして今僕が退治しているのが最下級のプラプラだ。もう一度言おう最下級だ。黒いオオカミを討伐できるなら、もっと上の命を受けろって?ふざけるな。最下級といえど数は多く、意外にすばしっこい。それに何と言っても見た目がこわいしグロテスクだ。

しかしイヴは優しく最下級の悪魔退治から悪魔を慣れていけと言ってくれた。それに、この辺りではプラプラの巣が何故か多くみられるらしい。なんか凶悪の悪魔がいるのかって聞いたみたがちがうらしい。


「えっ、じゃあ何で多いんだ?」


「それはこの地域の新人がプラプラを刈ってないからよ。いるのよねぇ、【私は強いから雑魚なんか相手にしない】て、志の天使。ホントむかつくわね。日々人間や天使の安全を守る為なら初歩的なことからして守らないといけないのに。ホントそう言うやつを見ると殴ってやりたいわ。」


「おぉ…。そ、そうなのか。」


あの時のイヴは普段のイヴらしからぬ発言をしていた。なにか似たようなことで思いあがる節があるのだろう。

そうしている間に、ここらのプラプラの巣は掃討した。ほぼ紅蓮のおかげだけど。


「おつかれさま、ほら」


「お、おう。ありがとう。」


そう言い飲み物を渡されのどが渇いていたため一気に飲む。


「ん、じゃあ学校行きましょうか」


「待って僕まだジャージなんだけど」


そう言って二人仲良く?登校する。そんなちょっと一風変わった日常だ。


朝の登校途中久々に知り合いに遭遇した。


「おいおいおいおい」


そう言いながら近づいてくる男子高校生。仁だ。


「おはよう。お?おお?おおおあああああ」


「?」


いきなり出会うが僕をペしぺし叩いてくる。おまえキャラ崩壊起こすんじゃねぇよ。頑張って考え…



「何がおはようだこの糞野郎。なんでイヴちゃんと一緒にてめぇが登校しているんだあああ。」


「おいおいいきなりなんだよ。てか痛い痛い。たまたまそこで会っただけだよ。」


「たまたま会った?何言ってんの夕。わたしとあ((」


「誰だァこいつ…?」


「ちょっと黙ってそこ。特に赤紐。」


「何でてめぇ、下の名前で呼ばれてるんだよ。どういうことだ神代さん??」


「ちょ、ちょっと来い。」


「?」


そういい僕は仁を引っ張りながら道を外れる。目くばせでイヴに「先行ってて」と伝える。


「何よあいつ。いきなり見てきて気持ち悪いわ。まあいいわ、先行きましょ。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

キーンコーンカーンコーン。着席のチャイムが鳴ると同時に僕たちは教室に入る。


「どうだ、間に合ったか?」


「いや、担任はいないようだ。セーフだぞ夕。」


そう言い、僕たちは席に座る。すると隣の席のイヴが話しかけてきた。


「遅かったじゃない。何してたの?」


「ちょっと説明に戸惑ってたんだよ。」


「説明??」


そうして僕は仁に話したことを伝える。イヴとは昔会ったことがあって、その時遊んだが令嬢であったためそれっきりだったということ。その時の名残で僕は下の名前で呼ばれてているということ。そして最近近くに引っ越してきたという。諸々の嘘をついた。


「ふーん。それで騙されたの?そのみえみえの嘘に。」


「騙したって言い方は酷いけど、まぁその通り騙したよ。」


古くからの親友に対し嘘をつくかどうか悩んだが、悪魔という存在がある限り巻き込むわけにはいかない。


「いいの?仲良かったんでしょ?」


「いいんだ。それに信じてくれる。」


「あら、何その根拠のない自信は。」


「幼いときから友達だったんだ。信じてる反応だったよ。あいつ頭いいくせにこういうのには鈍感だから」


「あらそう。」


仁のことを一目見る彼女の姿はどこか寂しそうに感じた。


昼下がり

理紗が教室のドアを開け入ってくる。前の席の仁も僕の席に集まってくれて昔と同じいつものメンツで昼飯を食う。隣の席の彼女はただその光景を眺めた後立ち去る。


((そういえば、イヴは誰と昼飯を食べているのだろう…?))


彼女の周りには人が集まる。何故だ?天使がもつカリスマってやつのおかげだろうか、否彼女は人間として素晴らしいからだ。才色兼備で頼まれごともこなし、気軽に相談などを受けたりしてる。普段の僕に対する彼女の態度では想像もつかないが事実だ。顔もいいから異性から人気があり、優しいから同性からも恨まれない。完璧人間なのだ。だからこそ彼女は誰と仲がいいのだろう。


「悪い。今日ちょっと他の奴と食べるわ。」


「え、意外。夕、他に食べる友達いたんだ。」


「なんだよその言い方。まるで僕が二人としかつるんでいないみたいな言い方じゃないか。」


「「え」」


「え」


「いや実際そうだろ。おまえ俺たちと一緒にいる以外の姿見たことないぞ。この学校に来てから。」


「うん」


あ、そうだった。特に考えてもいなかったけどあんま関わってねぇ…。いや関わっていたけどまあ、あれがあったからな…。


「と、とりあえず。そういうことだから!!」

急いで彼女のあとを追いかける。


「なんだ今日のあいつ?。朝からつまらねぇ嘘つくはイヴちゃんと歩いていたしな。」


「嘘って?」


「イヴちゃんがどうたらこうたら言ってたな。あいつまさか…いやまさかな」


「誰そのイヴって子。」


「ああ、噂の転校生だよ。」


「え、あの可愛い女の子!?まさか夕…」


「まっあいつのことだ」

((告白するんだな。男だ夕帰ってきたらラーメンでも食いに行こう))


「そうだね」

((まさか、夕その子が好きなんじゃ…。))




彼女を追うと屋上にたどり着いた。

((いつも屋上で飯食べてたのかよ。ん?あれ屋上って…))


「あんたストーカーにでもなるつもり。引くわ」


あれこのセリフ最近どこかで聞いたような。嫌そんなことよりも、あたりを見渡し、


「お前ひとりで食っていたのかよ。」


「なに、悪い?」


なんでだろうな。予想はしていた。でも、こんなに人に好かれているのに一人って…。


「可哀想でも思った?。でもあいにくわたしはここに遊びに来ているわけでないの。ただあなたを驚かそうとしただけだもの。だから別にこの学校にいる意味はないわ。」


「そんなこと言うなよ。せっかく高校生としているなら楽しもうよ。」


「確かに私は学校ってとこに行ったことないし、昔憧れたりもしたわ。でも今はそんな状況じゃないのわかっているの?一体何年かかるか…。」


「わかってるよ。」


「なら…。」


「だからこそさ、君の願いは僕が叶えるさ、だからその時まで君は後ろで笑っていてよ。」


「何そのきざなセリフ。」


「ああ、自分で言って顔から火が出るほど恥ずかしいよ。でも…」


そう言いかけたとき背後の扉が開かれた。


「お、屋上開いてるみたいだな。おおイヴちゃん奇遇だな。あと夕も。」


「ああ、夕 ホント偶然だね。天気がいいし外で食べようと言ってくれた仁には感謝だね。」


「え、お前が行こうって言ったんだろ?」


「違うよ!仁が{夕の特攻気になるな}って」


「なんだとー」


「そっちこそー」


「「あは、はははははは」」


そのやり取りを見ていた彼女が僕が笑った。


「なんだお前らつけてきたのか?」


「それを言うならあなたもでしょ 夕」


「まぁいいわ、用件は済んだでしょ。私は戻るわ」


彼女が僕らから遠ざかって行く。僕はその背中に声をかける言葉が見当たらない。


「わーあたしお腹すいたなー」


「そうだな。今日は購買のパンを多く買ってきてしまった。どうすればいいんだー」


ああ、そうだ僕が君を追いかけたのは確かめるためじゃない。


「どこ行くんだよ。飯まだだろ。食べようぜ。」


「はぁ…。いいわよ天気がいいもの。でも私昼ご飯なんて持ってきてないわ。」


「あ、それなら私のお弁当少し上げるよー。」


「俺のパンも上げよう。」


   あんた

「「     は!?」」

   お前


「え、僕!?じゃあこのお茶を…。」


「あらそれじゃ間接キスになるわよ?。」


「え!?だめ!」


「そうだ 夕それはだめだ。」


「うん。よくなかったわ。」


「まぁ私は気にしないけど。」


そう言い彼女は僕の、僕の飲みかけのお茶を、お茶を、


「「「ああああああああああ」」」


「冗談よ。ふふっ」


飲まなかった。あと少しだったのに。残念な気持ちだが、彼女が笑っている姿はいつもの彼女よりほんの少

し可愛く見えた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

四人仲良く昼飯を食べていた。


「え、嘘だったの知ってたの?」


「当たり前だろ何年一緒にいると思ってるんだ」


「え、じゃあ何で嘘ついたか聞かないの?」


「言えないから嘘なんだろ。それとも聞いてほしいのか。」


「いや、そうじゃないけど。」


「夕 は嘘つくの下手だからねぇ。あたしでもわかるよ。」


自信ありげに理紗が賛同する。どんだけ僕嘘下手なんだよ。


「まぁ私と彼はそんなあなた達が思うような関係じゃないから安心して。どちらかといえば私の要件に手伝ってもらっている感じだから。」


「うん。それは私はわかってたよ。夕は困ってる女の子には優しいもんね。」

((違ったああああ。よかったああああ。))


「まぁ俺もわかっていたしな。言えない用件ッて色々あるしな。」

((そうだったのかあああ。安心したぞ夕。信じてたぞおおお。))


「そういうことだから、詮索するのはよしてね」


「そうだぞ、知ったら悪魔に呪われるぞおお」


「悪魔って夕、子供じゃないんだから。」


「いいや、いるかもしれないぞ悪魔」


「「「え」」」


「いや、悪魔で思い出したんだけどこの学校のうわさだよ。」


「学校の怪談とかって幽霊や妖怪でしょ?」


「うん。俺も多くの怪談はそうだと思う。でもこの学校特殊で、


呪われた少年の遠吠え

影クジラの誘拐

絵画の目玉の球

大繩の蛇


なんて変な噂を聞いたんだよ。俺も妖怪とかだと思ってたけど、これにまつわるもの全部悪魔のように利口で体の一部しか見当たらないらしい。何でも見せしめだとか。」


「なにそれ。悪魔要素薄すぎでしょ。それより仁がそう言うオカルト的なことに興味ある方が驚きだよ」


「いや、俺悪魔にあったことあるし。」


「「え」」


「何その冗談。ほら夕もイヴちゃんも固まってるじゃない、あんた冗談言わない人だから私まで固まっちゃうよ。」


「いやいやまじまじ」


「仁ほんとうか?」


「ああ、でも小さいころだけどな。だからこそこのうわさの現場に行ったとき何かが見えたんだよ。」


「え、夕も真面目に聞くの?」


「私も少し興味あるわ。」


「イヴちゃんまで!?」


「じゃあ放課後にでも行かねぇかその現場。」


「えーあたし怖いの苦手。」


「みんなで行けば怖くないさ」


そうして僕らは放課後噂の現場に行くことになった。

学校の悪魔編 開幕

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