始まり
朝起きて飯食ってゲームしてるだけのネオニートな俺
別になりたくてネオニートになったわけじゃない。
毎月の収入は働いてる社会人よりあるだろう。
だが、働けない?働かないのは社会から孤立してるような感覚なのだ。
一度この感覚になれば、再度働くのは難しい。
働かなくなってから、すでに2年、彼女はそれでも収入がある俺を見捨てはしなかった、すごく愛されてると自分なりに思っている。
彼女とは、大阪と福岡で遠距離恋愛だが、毎月か2ヶ月に数日は一緒に色々な場所を観光したり、遊んでいる。
俺と彼女は、二人とも転生して魔法が使える世界に行きたいと二人ともよく言い合っていた。二人とも収入があるネオニートのゲーマーだから当然かもしれないが……
そんなある日、俺と彼女は飛行機に乗ってハワイ旅行に行く最中の事だ。
ガタガタと飛行機が揺れ、バキバキっと聞こえてはいけない音が聞こえ、窓の外を見ると丁度翼が飛んでいく所だった。
俺は急降下して行く飛行機の中で、最後の頼みだ、二人で転生させてくれー、と大声で叫んだ。
そのあとの記憶はない、真っ白な空間もなかった、結構期待してたんだが…
意識はあるが何もない感覚すらも無い。
どのくらい時間がたったのか分からないが、はっきり声が聞こえる。
「お主は地球で随分怠けていたようだの、転生したいと最後に叫んでおったが真か?」
「あぁ俺は一緒にいた彼女と魔法が使える世界に転生したいんだ、貴方は神か?」
相手の姿も自分の姿も見えないが何かに話しかけられている。
「まぁそんな所じゃ、しかしお主を思い通りに転生させる程世界は甘くない、それにお主の魂は腐り切っておる!転生させるとしても、人が人らしく生きるには過酷過ぎる世界なら考えてやらんでもないがな。」
なんと転生はやはり可能だったのか。過酷すぎる世界ってどんな場所なんだ?まぁ転生さえすれば後はどうにでもなるだろう。
「神よ転生させてくれ、彼女も一緒に!」
俺は覚悟を決め、神?に頼んだ。
「フハハハ、過酷な世界に彼女と一緒にか、腐っておるの、よいじゃろ!彼女は貴様が過酷な世界で大きな事をなし得るようになればその時に転生させてやろう、それまでは魂のままここで待機させておく、だが忘れるな、5年だけじゃ、魂がここにおれるのはな、行くがよい!」
ちょおまっ
目が開く、何だか砂埃のひどい場所だ、ここは?何もない荒野?自分の体を見てみると14歳〜16歳ぐらいだ。変な腰巻きだけで、パンツすら履いてない。
「どうしてこうなった!」
くそ、とりあえず水と食料だな、金も持ってないし、どうすれば?
しばらく悩んでいると、遠くに人の集団を発見した!
「こんな荒野で旅か?」
集団はだんだん近づいてくる
俺は相手の姿から、ヤバイ集団なのでは!?と思い、その場に伏せたが荒野なので隠れる場所がないが伏せた状態で相手を観察した。
明らかに服装がホームレスよりひどい、(肩にイガイガが付いてたり)鉄の棒を持ってるし、モヒカンまでいる、まさしくヒャッハーが似合う集団だった。
これ見つかったらどうなるんだ?助けてくれるんだろうか?それはないよなぁ?明らかにヤバそうなんだが……
すると、俺のそばまで来る前に、なにか黒い生き物が集団に突っ込んでいった。
俺はびっくりして、少し起き上がりその様子を確認する。
黒い生き物はイノシシだ!と思う、日本では見たことがない、飼いならされた豚ぐらいだ。
でもあんなに凶暴だったかなぁ?とりあえずイノシシと呼ぼう、一匹のイノシシは13人を倒してしまった。何人かの手足も千切れあたり一面、血の海だ。その場でモグモグ食事を済ませたイノシシは満足したように歩き去って行った。
「これ現実か?まじヤバくね?こんな事そうそうある訳がない、そうだたまたまさ。」
自分に言い聞かせるが体の震えは止まらない。
しばらくすると、しっかりした鎧?揃った姿の集団が血の海に向かって走って行くのが見えた。
俺はまた伏せ、様子を伺う。
揃った軽鎧の集団は血の海に転がっている集団を治療している様だ。治療がおわり、意識のない人を担ぎ上げている。
この集団は助けようとしている?いい人だ、間違いないと思い声をかけた。
「おーい助けてくれ!言葉通じてるか?」
するとすぐに3人走ってこちらにやって来た。
「助けてくれ、水も食料もないんだ」
3人はニヤニヤしながら、問答無用で殴りかかってきた。
当然ボッコボコにされ、意識が無くなった。
気がつくと町のような場所にいた。だが一人用の檻の中だ。
「誰か出してくれ!何も悪いことしてないぞ!」
叫んでみたが鎧をきてる人は何も反応しないので叫び続けた。1分ぐらいしか叫んでないが鎧を着た人が歩いてくる。
またボッコボコにされ意識を失った。
目が覚めると先程まで空いていた両隣の檻にも人が入っていた。叫ぶとボッコボコにされるので隣に声をかけてみた。
「おい、あんたなんで檻に入れられてるんだ?」
すると、隣の檻の男性は、「ああん?貴様はなんで入れられたのかわかってんのかよ?」
「俺ももちろんわからん、いきなりボッコボコにされて気がついたらここさ、ここはどこなんだい?わかるか?」
返事がない。話すつもりがないみたいだ。
反対側に入れられている女性にも声をかけてみる。
「なぁあんた、ここが何処か知ってたら教えてくれ」
女性は「ここはリバー鉱山さ、バンディットのね、ここに入れられたら最後さ、一生奴隷さ誰も逃げ出せた奴を私は知らないよ」
「な、な、な、なんだってぇぇ!!!」思わず叫んでしまった。またボッコボコにされた。
目が冷めた。だんだん殴られるのにも慣れてきた。先程の女性に話しかける。
「あんた何で女性なのに坊主なんだ?」
聞かなくてもいい事を何故か聞いてしまった。
「あぁん?お前も坊主だろうが?好きで坊主になったんじゃねーよ、奴隷にされたら、奴隷と一般人を見分けやすくする為に坊主なのさ、奴隷刈り達は奴隷が逃げ出しても髪の毛が生えて無ければ逃亡奴隷として見つけやすい、町にいても坊主なら捕まえて問題ないからな、衛兵にも咎められる事はない。」
なんかすげー事聞いちゃったんですけどっ??
坊主なら問答無用で逃亡奴隷扱いですってぇ??
何なんだこの世界は。。
「もう一つ聞いていいか?」
「なんだ?」
「もし、逃げ出せて髪の毛がしっかり生えれば奴隷からは開放されるのか?」
「そうだな、もしここから逃げ出せて荒野の危険生物達からも逃げ切り、髪の毛が生えてふさふさまでなれば、奴隷からは開放されるな、そんな事ができる奴ならここには来てないだろうがな」
最後の方は、こいつ何夢みてんだ、みたいな目で見られた。
神には5年って言われたしなぁ。どうにかしねぇとな。
足につけられた重りを少し持ち上げてみようとしたが全く持ち上がらなかった。
俺の筋力が無いせいだ。その日少しの食事を与えられ餓死はしないまでも腹一杯にはならない。
次の日、俺は奴隷刈りに檻から出るように言われ外に出た。
するとボロボロのツルハシを渡され鉱山に行くように指示された。
足の重りが重く歩くのにも一苦労、まともに振れないツルハシ、鉄と土の分別機まで掘った土を運びまた掘る、一日中この繰り返しだ。
2日語の深夜、何やらカチャカチャ何か音がする、すでに出入り口付近にしか警備兵はいない。
しかもこの警備兵は、夜しばらくはいるが、深夜になると酒場に行って酒を買ってきては、出入り口で一人寂しく酒を飲んで朝まで警備してるようだ。
ガチャという音と共に音のする方の檻が空いた。
俺は、え?カギないとあかないんじゃ?と思い込んでいた。だが違った。なにやら細い針金のような物でカギをあけたようだ。
「おい、助けてくれないか?なんでもするぞ」
声をかけたが無視され、男は出入り口に向かって行った。
すぐに警備兵の叫び声が聞こえた。酔っ払っててもちゃんと仕事はするよ。警備兵が集まり逃げ出した男はボコボコにされ、腕が変な方向に曲がっている。凄く痛そうだ。
次の日逃げ出そうとした男は治療されず放置され俺が強制労働から檻に戻ってきた時には死んでいた。
この世界は過酷だ、あまりに人の命が安すぎる。
俺は逃げ出すための作戦を練る事にした。
1自分で簡単に重い足枷と檻を簡単に開けれるようななる事
2何とか警備兵に気づかれなる事(忍者みたいな感じ?)
3素手で複数の警備兵に勝てるようになる事(外に出られたとしても荒野の危険生物に負ければそれで終わりだからだ。)
2は見つかりにくくなる、と3は見つかったら戦えるようになる事。難しいがやり切らなくては逃げれないだろう。
あー転生する前の方が今よりよっぽど幸せだったなぁ。
昔を思い出しながらその日は寝た。
次の日、強制労働させられながら、細い針を見つけた。結構色んな所に転がってたので簡単に見つける事ができた。
その日の夜から寝る間を惜しんで足枷を外そうとカチャカチャしていたら、朝になるまでに足枷が外れたので、鉱山を掘った時に入れる袋に足枷を入れ寝た。筋トレになるんじゃないか?と思ったからだ。
朝起きると警備兵の人が近づいて来て、新しい足枷を付けてくれた。なんて優しい警備兵なんだろうか。
その日の強制労働は地獄だった。ほんと何が筋トレだ!
カバンが重すぎて、まともにツルハシが振るえなかったせいで警備兵にボコボコにされた。
体中が痛いが慣れるしかない。彼女を神のもとから転生させてもらうには頑張るしかないんだ!!
足枷のカギを外し、檻のカギもあけるが檻の外には出ない。
ついでに両隣の男の足枷と檻のカギもあけてあげた。逃げるのは自由さ。。
だが二人ともぐっすり寝ていて気づかなかったようで朝に気づいて警備兵を自分で呼んでカギをかけてもらっていた。
(なんて従順な奴隷達なんだ)
まぁボコボコにされるのは誰でも嫌だからな
次の日は遠くの鉱山まで歩かされた、ここは出口から近く警備も厳重いろんな場所に警備兵がいた。
(こんな出口じゃ逃げ出せる訳ない、そう思い込ませるような厳重さだ。周りは絶壁に囲まれ山なんだが壁)
昨日よりはマシにツルハシを振るえるようになっていた為に警備兵に少し殴られるだけですんだ。
今日は違う場所の檻に移された。周りの奴隷達はまだ見たことがないやつらばかりだ。ここのリバー鉱山は広い、山と山の間を縫うように広く長く作られているようだ。
夜中になると数人がカチャカチャしていた。もちろん俺もカチャカチャして足枷は5分もあれば外せるようになった。檻はまだ時間がかかるが1時間ほどで外せるようになっていた。
足枷をカバンの中に入れ両隣の中に足枷と檻のカギを開け寝た。
朝起きたら両隣の二人はいなかったが無事に逃げ出せたのであろうか?
足枷が2つも入ったカバンをなんとか持ち上げ指示された場所まで歩いていると2つの死体があった。俺の両隣にいた奴らだ。両手を合わせて少しだけ冥福を祈る、すぐに動かないとボコボコにされるので一瞬だけだが、俺のせいでもあるからな、逃げ出したのはお前らだから完全には俺は悪くない。
今日は今まで来たことがない場所だ、いつもの鉄の匂いとは違う、特別厳重に警備された門から建物の中に入ると小麦、色々な野菜、米まで水耕栽培で作られていた。
「今日から、お前はここで働け、食べ物を盗めば即処刑だ覚えておけ!だがまぁここで大人しく働けば他よりも飯は食えるからな!悪さするなよ」
こーんな警備が厳重な場所で悪さもへったくれもない、お腹が減って力が入らないがここへ来た時よりも筋力はついたと思う。まだまだ筋トレだ。ガチムチマッチョに俺はなるっ!!
数日足枷だけはかばんに増えていき入らなくなったので、片足ずつ足枷をはめた。その状態で強制労働の為に歩いていても警備兵達は俺の事を何かの罰だと思い込んだようで指を指しながら笑って話し合っている。
(いつかみとけよ、ボコボコにしてやるからな!)
カバンには10個の足枷、両足に1個ずつ。もうこれが持てる限界だろうな。この状態で走れるようにならなくては。
この日の夜から人に見つからないように影から影へ足音がならないように特訓を檻周辺で始めた。最初は奴隷に見つかって警備兵を呼ばれたが俺がすぐ檻に戻っていると警備兵は叫んだ奴をボコボコにして戻って行った。
ボコボコにされた奴はかなり怒っているが知った事じゃない。チクるお前が悪いんだ。
数日すると檻から出ても奴隷達には気づかれなくなり上達して行った。
初めて投稿します。あまり文が得意ではないので誤字脱字なとあるかと思いますが、脳内変換でお願いします。
批判されるとやる気がなくなります。
褒められると伸びるかもしれません。