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ある小さな恋の物語⑨1度目のcatastropheに向けて①

癖っ毛をまとめ、総髪にしているスパイクの頭は、後方の左右から手を突っ込まれて掻きまわされた。


片側からなら、振り返ったりも出来るのだろうが後ろの両側から押される様にされている為、スパイクは前のめりになるしかない。


そして追撃する様に、後ろから乱暴な調子で言葉をかけられていた。


「よお、スパイク、おまえの好みって"気の強い女"って本当か?」


「だから、うち(サブノック)の高官の所のお嬢さんでも進められても断って来たのかよ!」



自分の"後ろ"を取れる事と、一応自室という物がある建造物の、幅の広い廊下があるストラス家の居館内での事なので、直ぐに自分の癖っ毛の髪をくしゃくしゃに非常に近しい関係の、しかも血縁者と解る。



「あ、兄上方!、どこでその話をお聞きになられたのです?!」


そしてそれはスパイクにも腹違いの弟にあたるスパンコーンにも、腹違いではあるが兄にあたる2人だった。



彼等は立場的には、一夫多妻の文化圏であるサブノック国で将軍で、多く夫人を娶っているストラス公の正妻の息子達である。



少しばかり尊大にも受けとれる振る舞いをする兄達ではあるけれども、それだけの振る舞いを行ってもおかしくはない武芸者で、国では勇猛な武将として功労もしていた。

ストラス公の子ども達は、事情がない限り大体が産みの母の元で育てられているのだが、その中で事情があり、実母の手を離れて育てられたのがスパイクとスパンコーンの2名となる。


そんな立場的に似ていることもあって、主にスパイクがスパンコーンに気にかけている所もあった。

ただスパイクにもその様に気にかけてくれる存在があって、それが、今しがた髪をくしゃくしゃしている正妻殿を母に持つ兄達である。


物心ついた頃から"新しい弟が出来た”と、乱暴ながらも可愛がってもらった記憶は身に沁みついて残っている。


そしてスパイクがいい年をして独身であるのとは打って変わって、個の兄達は父に習い夫人を父親の程の人数ではないにしても、娶っている。


既に子どもいたりもするのだが、サブノックの文化では幼年期の時期は武芸の指導でもない限り関わる事がないので、成人して家庭を持つ身としても、同性との兄弟の繋がりが何かと強い。


なので、"可愛い末弟"が娶らない理由を知ったからには、絡まずにはいられず、愛情表現を込めて接してきたのであった。


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