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第十四話 英語
後輩「英語の話なんですけど」
男「うん」
後輩「例えばここで外国人に英語で声を掛けられたとするじゃないですか。先輩ならどうします?」
男「謝るジェスチャーをして即逃げるね、間違いなく」
後輩「そこなんですよ!」バン!
男「うわっ、何?」
後輩「ここは日本なんですから本来なら外国人の方が日本語で話すべきじゃないですか、それが筋じゃないですか! なのに日本人は、まるで英語が話せないことが恥であるかのように卑屈に振る舞うんですよ! 私たちが海外に行ったって、絶対向こうの人は日本語が分からないことを恥じたりしませんよ!」
男「ああ……確かに日本人って、英語が話せる話せないを過剰に注視するよね」
後輩「はらわたが煮えくり返る思いです……」
男「で、何で後輩ちゃんはそんなに怒ってるの?」
後輩「いえ、先ほどの先輩の姿があまりにも惨めで」
男「……覗き見はよくないなあ。ていうか見てたなら助けてよ」
後輩「やあですよ。私だって英語話せるわけじゃないんですから」
男「5だったんでしょ?」
後輩「学校の授業が実生活で役に立つわけないじゃないですか」
男「確かになあ」