僕は中二病かもしれません
この作品はフィクションです。実在の人物、出来事等には一切関係ありません。
幽霊じゃなかろうが幽霊だろうが、関係ない。僕には知りたいことが有りすぎる。僕は手に持っていたくしゃくしゃになった紙を広げた。......あー。どうしようかな、もう一回書くのもいやだしなぁ。それにこれにはある仕掛けがしてあるのに......。少し黙考した後遺書をポケットの中に入れた。
とりあえず、この状況でするべきことは、彼女に事情を聞いて落ち着いたら今度こそ――飛び、降りる。
「なあ。色々質問したいんだけど......。一つだけ聞くから絶対に、嘘偽りなく答えてほしい」
「......。いいわよ、なにかしら」
深呼吸をして息を整える。そして歯切れよく、しっかりはっきり言った。
「僕は、何を、すればいい? 」
彼女は少し考える素振りを見せた。しかし本当に考えているのか否かはわからない。
「なにもしなくていいわ。でも強いていうのなら、生きて」
は――? 何を言っているんだ。僕はもう死ぬつもりだ。だからあなたの期待には応えられない。それ以外ならまだ選択の余地は有ったのだけれど、生きるのはもういやだ。
この世界は訳が分からない。分からなすぎる。理不尽だ。そもそも男と女でわけたのが間違いなんだ。同じ人間でどうして扱いが変わる? ちょっと顔が良かったりスポーツが出来たり......。
こんなもの中学生らしい考えだとか、モテないやつが自分の黒歴史を述べているだけだとか――。そう言ってくれて構わない。でも、僕がこの世界に生まれたのは僕のせいじゃない。両親のせいだ。おかげともいえるけれど、あえて"せい"といわさせてもらう。
僕は前に普通の家庭だと言ったかもしれない。けれど少々語弊があった。
僕の家族の構成はこう。
父親、母親、七つ上の姉、そして僕。
これだけみると兄弟の歳の差が凄いと思うだけだろう。けれど両親にも普通じゃない......異常なところがある。
でもそれは、毎日喧嘩しているとか、もう離婚にまでさしかかっているとかじゃない。きっとそれ以上だ。何も難しく言葉を並べる必要もない。たった一言で済む。
数年前から話していない。
それだけだ。それも自殺理由の一つ......かもしれない。それにだ。僕が死んだらその事で話すかもしれない。確率だけでみると限りなく0%に近いけれど。
論点がずれまくったけれど、結論は一つ。僕は生きたくない。この世界では。
だから、もう。やめてくれ。僕を――自殺させてくれ。
「ごめん。僕は死にたいんだ」
しかし彼女は強く反論する。屋上で言った言葉と正反対のものを。
「ダメよ! あなたにはまだ未来があるじゃない。それを自ら棄てるなんて......あってはならないことよ......。輝かしい未来が......あるのに......」
「......こうは考えられない? この世界に生まれてきた時点でその人の一生は決定される。僕の好きな漫画には人が変えられるのは未来だけだ――ってセリフがあるのだけれど、僕には僕の考えがある。だから僕が今日死んでも、それが運命だったんだから仕方ない。と思えば仕方ないじゃないか」
たった数ヶ月で死んでしまう人がいるということを番組で放送することがあって、それを見て涙する人もいるだろう。確かに僕も哀しいとは思える。でも、それは寿命であって運命なのだから......。
こんなに自分の考えを話したのはいつぐらいだろう。そもそも、こんなことを話せるのは少し前に転校した友人くらいだ。彼とは趣味の話以外でも話すことができた。もうこの学校にはいないけれど。
「......あなた。独自の考えを持っているのね......。いいわ」
「死んでもいいってことか? 」
「......悲しいけれど。それが君の運命なんでしょう? 」
そういって彼女は目に涙を浮かべながら微笑んだ。
ごめんなさい。毎日更新はしばらく出来なさそうです。
でも明日か明後日には......! 頑張ります......。




