薄氷さんは幽霊の可能性があります
初めて改行を多く使ってみました。読みづらいかもしれません。
この作品はフィクションです。実在の人物、出来事等には一切関係ありません。
自殺する理由――か。いくら僕でもそれだけは教えたくない。そもそも自殺しかけてる人に聞くものではないきがする。
「ごめんなさい。やっぱりいいわ」
びっくりして顔を上げる。すると目線の先には目を潤ませた薄氷さんの姿があった。
彼女は薄氷 涙。この町のど真ん中にある家の娘だ。ど真ん中、というだけあって地位は高い。お父さんが議員だそうだ。
「なんでさ」
すこし嫌な声を出す。しかし彼女は微笑む。その姿はとても絵になるもので思わず写真を撮りたくなってしまうが自分で自分を戒める。......僕はもう死ぬんだ。
「あら、だってこれを読めばわかるのでしょう? 」
そう言って取り出したのは遺書だ。それもただの遺書ではない。僕の――だった。
「あっ!? なんで――」
「何で持っているか? ちょっと隙を見つけたからつい......」
隙だって? いつだよもう。あーくそ。考えても仕方ないや!
「返してよ! 」
しかし彼女はもうすでにはさみで封筒を切ろうとしていた。というか切り終わった。ぱさ......という音と共に彼女の声が聞こえた。
「えー『僕、本堂 氷空は......今の現実に絶望したので次の一生に身を委ねます。』......なにこれ、これで終わり? 」
............。もういいや。恥ずかしさで死ねるんじゃないだろうか。取り敢えず――。
「返して!! 」
彼女の手から遺書を引ったくった。それを大事に胸に抱えながら、彼女を横目で見てみると彼女も気がついたらしく笑顔を向けてくる。しかし今の僕には軽くいなす余裕が無かった。だからつい大声を出してしまった。
「なにするんだ!? お前はなにがしたいんだ! 僕を困らせたいのか死なせたいのか......ふざけ――」
そこまで言ったところで口を塞がれた。耳元で静かにして、という声が聞こえる。
扉の奥からは、先生と思われる人の声が聞こえる。
「ねぇ――誰かいるのー? ......うーん。いるわけないわよねえ。ここはもう使ってない所だし、知ってる人も校内じゃ昔からずっといる先生方の数人だし......」
へ......? 耳を疑った。昔からいる、だって? ということはやはりこの人は――。
血の気を失った顔で見ると、彼女は――。
「もう一回いうけれど、私は幽霊ではありません」
呆れたように言った。
駄目だー。テストも勉強も小説も上手くいかないです......。ごめんなさい。