謎の場所に連行されました
この作品はフィクションです。実在の人物、出来事等には一切関係ありません。
僕は謎の女の子と一緒に図書室までの道を歩いていた。本当だったらもう僕の体は屋上から飛び降りて粉々になっているはずだったのに......。一体何をしているんだ。
「何か言った? 」
やばい、口に出てたか? 僕は慌てて口を押さえる。
「嘘よ」
くっ。どうやら弄ばれたらしい。彼女は微笑っている。二人で歩くこと五分。僕らは図書室の前に来た。......そういえば中に先生がいたらどうすればいいんだ。その心情を読んだのだろうか。
「大丈夫よ。今の時間先生はいないわ」
......。僕は無言のまま扉を開ける。辺りを見渡しても人影は無いのでさっき言っていたことは嘘じゃないことが証明された。
「なあ。どうすんの? 」
返事が無い。振り向いても誰もいない。まさか本当に幽霊――と思ったら声が聞こえた。初めて聞いたときのような透き通る声が。
「モタモタしないで。こっちよ」
声のする方に顔を向けると小さく手を振っている人がいた。全く。
「はいはい」
言われるがままについていく。最初に通った部屋は図書の先生たちの部屋、図書職員室。生徒は普通入ってはいけないのだけれど、この際どうでもいいやと、半分自棄になって通った。そこからは貸し出し不可の本が並んでいる司書室。ここには田梅学園の歴史やこれまでの学校が配布してきたプリント類がある。そこさえも通っていき着いた場所には――何も、無かった。
何もない。その部屋を無理やり説明しようとするのなら、こんな感じだ。
その部屋は、普通の家庭のお風呂場を少し広げたくらいの大きさだ。周りの壁は白く汚れが一切無い。また床も同じだ。天井には蛍光灯が二つ存在し、室内は薄暗い。そして窓は存在しない。けれどパイプ椅子は二つある。室内には棚や机はなく一体何のために存在している部屋なのか分からない。
「さ、座って。話そう」
「......ちょっと待って! ここは一体なんなの?! 」
彼女は物分かりが悪いと言いたそうな顔をした。
「だからね、話すから座って」
その時の声は威圧感があり、思わず怯んだ。
「......わかったよ」
「いい子ね」
っ。その笑顔は今までの僕の人生の中でも最高といってもよかった。はっきり言うとドキドキした。
だから彼女が言った言葉を聞きのがしたのだろう。
数日後にテストがあるんですけど勉強の間に小説書いてたらいつの間にか夜になってました。合格点高すぎるよぉ!