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商人の賭け
【マニ視点】
「ここに住むか」
空から落ちてきた人がそんなことを言っていました。
すると貴族っぽい格好をしたオジサンは愕然としたような顔をして、砂漠に倒れてしまいました。
そんなことよりも、ここに住むとなると大変そうだなぁ。
いや、ここの土地は軍事的にも経済的にも将来必ず発展するはずの場所だ。
ここは砂漠のど真ん中だけど、もしここに街ができれば大陸中央と大陸南側・南海諸島を結ぶ、一大交易路になる。
行商なんかやってる場合じゃない!
この一世一代のチャンスを、掴む!
「すいませ~ん。私も一緒に住んでも良いですか?」
「いいぜ。人は多いほうが楽しいしな。」
やったー!
すると、ムキムキのおっさんが前に出た。
「すまんが、俺も住んでいいか?」
ギャー!恐い!
「おう!いいぜ。」
まっ、まぁこの砂漠の魔獣は危険だし、護衛と思えば……
「そんなことより、土地の権利を…………」
「お前は住まないのか?」
貴族っぽいおっさんはまだ諦めて無いようだ。
「っ…………わかりました。住みます。」
「よーし、みんなで住むことが決まったところで、」
「自己紹介といきますか。」