太陽を突き刺す塔
【リオン視点】
俺は今、指導をしている。
「いいか、流れるように攻撃をするんだ。前の攻撃の力をそのまま次の攻撃に使うんだ。そうすると隙がなくなる。」
「こうか?」
そういって日高は剣を振ってみせる。
こいつはなかなか覚えが良い。教えたことをほとんど吸収してくれる。
「上出来だ。」
「うーん…?なんかこの剣は軽すぎなんだよな。もっとデカイのが欲しいぜ。」
「無いからそれで我慢しろ。それより魔法を教えようか。」
「魔法なんてものがあるのか!」
「ああ。ただし、使えるかどうかは分からないがな」
「楽しみだぜ!」
「…………駄目だ!使えねえ!」
「魔力がゼロとは……異世界人とは不便だな。」
残念ながら日高には魔力がなかった。
「日高さーん!ちょっと頼みたいことがあるんですがー!」
日高がマニに呼ばれた。
「リオン、ちょっと行ってきていいか?」
「かまわない。」
「ありがとう。………なんか用かー?」
「はい!実はですねー、ここの目印を作りたくてですね、そこら辺の大岩を積み上げて『塔』を作って欲しいんですよ!」
「別にいいぜ、ほらよ!」
ドーン!ドーン!ドーン!ドーン!
そういって日高は大岩を積み重ねていった。
やっぱりこいつのパワーは異常過ぎるぞ。
「ふー。終わったぞ!」
太陽を突き刺す様に、その塔は完成した。