左遷された元宰相『ブレイン』
【????視点】
「暑い……」
私は砂漠を歩いていた。
この砂漠は大陸の中心にある巨大な砂漠で、別名『絶望の砂漠』と呼ばれている。
なぜそんな名前で呼ばれているのかと言うと、まず『オアシスがない』
他の砂漠には多少なりともオアシスがあるが、この砂漠にはない。
そのため、村や水を補給するところもない。
二つ目は『広すぎる』
大陸の5分の1を占め、この大陸を横断するように存在している為、1ヶ月以上歩き続けなければならないのだ。
水の補給無しで。
まあ、このくらいならまだ良い。問題は三つ目。
『魔獣が強い』
この世界には魔獣なるものが存在しているが、普通の魔獣が兵士二人分の強さだとすると、
この砂漠の魔獣は『兵士30人分』である。まあ、15倍の強さだ。
なぜなら、この砂漠に餌になるものなんて少ない。だから『超』弱肉強食の世界だ。強くない訳がない。
さて、そんなところに何故私がいると言うと、ズバリ『左遷されました』
昔は私も国の宰相なんかをしていたのですけど……。
「現国王の政策は間違っている!」とビシッと言っちゃって、怒らせてしまいました。
そのあと、国王から勅命で『砂漠調査任務』を与えられました。
内容は砂漠の大きさ、魔獣の種類、オアシスの発見等をする事です。
一人で。
もちろん無理ですが、出来なかったらクビ。
「くそ~~~~~~~!!!」
精一杯頑張りましたが、もう水がありません。
……バタン!
あぁ、このまま干からびるのか……。
「水……………………」
空を眺めると流れ星が…………?