1‐5 日常あるいは平凡な日々
熱にうなされながら書いたので、大幅に改稿するかもしれません。
それでも良いという方のみどうぞ。
ライオットの朝は早い。
朝日が昇らぬうちからベットより出て、一杯のミルクで始まる。洗顔などの一連の行事を終えると、朝食の前に20キロほどのマラソンで汗を流し、シャワーを浴びて朝食を取るという朝を、あの日より一日も欠かさず行ってきた。
最早、やらなくては落ち着かないという習慣になっているのだろう。
シーラの朝は早い。
朝日が昇ると、直接顔に当たるよう位置を調整されたベットに朝日が降り注ぎ、その瞬間、条件反射と言っていい速度で、カーテンが閉められる……
10分後、鳥の鳴き声が目覚まし時計より聞こえてくる。が、華麗にスルーしてクッションの海に沈めた……
更に10分後、タイマーにより起動したディスプレイが朝のニュースを流し始めるが、朝日と目覚ましの猛攻を容易く凌いで見せた彼女に通用するはずもなく……
そして更に10分後、最終手段とばかりに、最大音量で叩き込まれるヘビメタ。それに対してシーツを頭までかぶり、無視を決め込む事数分。煩い様なら止めに来てと渡されたプライベートキーにて入って来た隣人にけり起こされる。
彼女の朝は、こうして始まる。
彼女の朝は、隣人がいなくては始まらない……
メリス リンドの朝は遅い。
シャワーを浴びる時間は必須だと思っているが、それ以外は可能な限り省略して、ギリギリまで眠る。朝食や朝の情報収集はミーティンクルームへ移動中に済ます。
彼にとって、朝とは特に意味を持たない。ただ、一日の始まりと言うだけなのだろう。
「さて、今回の実戦訓練の内容だ。各自確認しておくように。」
何時もの如く、実戦訓練の内容が開示されそれを確認していく。
「教官、我々の訓練内容がありませんが?」
「お前たちは今回休みだ。その他にも休みの者もいる。休みの者は今回作戦は無い、自主訓練は自由だ。」
ライオット達は今回休みに当たったようで、訓練内容は白紙だった。
実戦訓練に出る者、休みになった者、それぞれミーティングルームより格納庫やトレーニングルームに移動していった。
ライオットの休日の使い方 その1
ライオットはトレーニングルームに来ていた。
軽くウォーミングアップを済ませると、ルームランナーの豪華版(ディスプレイが有り、走るスピードにより映る景色が変化する)を使い、走る、ひたすら走る、徹底的に走る。
ディスプレイに映し出されている時速が15km/時、自転車並みの早さで、ひたすら2時間走り続けていた。ちなみに、張り合おうとした者もいたが、1時間で全滅した。
シーラの休日の使い方 その1
シーラは格納庫に来ていた。
基本的に彼女が午前中、格納庫に来ていない事はない。愛するシルフと接する機会を逃すほど、彼女の愛は緩くなかった。そう、世の男どもが泣いて崩れ落ちる程度には。
十分に機体を愛でると、何時もならばシルフの装備案や、改装プランを立てて更に機体を強化、特殊化しようとする悪癖があるが、今回は何やら書類仕事を行っていた。
「……しかるに、彼にはプロトタイプが適しており……」
こうして彼女の午前は過ぎていく。
メリスの休日の使い方 その1
メリス リンドは自室で寝ていた。
どうやら昨夜は就寝時間が遅かったようで、その分の寝不足を此処で解消せんと寝ていた。
レイオットはマラソンを終えると20分ほど歩き(体に急に休息を与えるのは良くない)、午前のトレーニングを終える。時間は間もなく正午、食堂が混む前に昼食をとる事にする。
シーラは書類を書き終え、関係部署に回すと時計を見る。正午を少し過ぎていた。
今から食堂に行くと混雑しているから、購買で買って済ませることにした。もちろんシルフを眺めながら。
「うふふふふふふふ……」
その間不気味な笑みを浮かべ、周囲はひいていた。力いっぱいひいていた。
メリス リンドが目を覚ますと、すでに正午を過ぎていた。今から食堂に行ってもろくな物が残っていない、購買も同様だろうと自室の買い置きのインスタントで済ませる。
その際、買い置きがもうあまりない事を確認すると、オンラインで注文を入れておいた。明日には届くだろう。
ライオットの休日の使い方 その2
食休みを挟み、図書室に来ていた。一般教科の学習を済ませると、前回の作戦における報告書を時間の許す限り読みあさる。その上で、自分に必要になる技術や戦術がないか、取捨選別を行う。初めての実戦訓練だった為かさほど益になる物は無かったが、一人気になった人物がいた。
(アレクサンドラ バーンズ? 女性か。珍しいな)
後で調べる事にしてシュミレーションルームへと向かった。
シーラの休日の使い方 その2
食事を終え、機体を再度愛でると、シーラは機体パーツの保管庫に来ていた。
午前中に作成した書類が通る事を前提に、必要になるパーツを仮押さえに来ていた。パーツを押さえておけば、妙な連中に取られ、発注に時間がかかるなどと言う事も無い。不足するパーツの発注書を書き、トレーニングルームへ向かう。
これから先、結構空いていて人気が少ない。彼女がトレーニングしていると、ギャラリーが多くなりすぎて邪魔でしかなかった。かつてギャラリーを集め過ぎて、トレーニングルームを閉鎖させた戦果を持つ彼女は、こうして人気の薄くなった時間を狙ってトレーニングをしている事が多かった。
メリスの休日の使い方 その2
昼食を終え、図書室に来ていた。
図書室には気に食わない先客が来ていたが、出来るだけ離れた位置に陣取ると、一般教科の学習を始める。気に食わない奴もどうやら同じ一般教科をやっている様だった。
しばらくして学習を終え席を離れると、奴は何かの報告書を読んでいる様だったが、意識を切り離しトレーニングルームへと向かう。体力の練成は義務だから、サボるわけにはいかなかった。
「さて、今回の実戦訓練の講評を始めよう。」
「今回、問題はさほどありませんが、問題があったとすれば……」
「コーヘー サタケとアレクサンドラ バーンズ組ぐらいですか?」
「彼らは能力的には問題ありませんが、どうも性格的な問題がありますな。」
やはり教官たちの会議は深夜まで及んだ。
ライオットの就寝時間は、比較的遅い。
夕食を終えると食休みを兼ね、自室で再度筆を取る。
一般教科の学習、機体に関する要望書、生活必需品の注文を終えると、時間は8時を過ぎる。その上でトレーニングルームへ再度移動、今回はプールへ向かいひたすら泳ぐ。
1時間ほどひたすら泳ぐと、一転して緩やかに流すだけになる。終わる頃には11時を過ぎる事もあった。
それが、彼の寝る前の儀式となっているのだろう。
シーラの就寝時間は、比較的遅い。
工具類のチェック、後片付けを終え夕食を取る。時にはバラエティー番組を見たりするが、基本は最後にまた機体を愛で、就寝する。
はっきり言って、儀式ではなく習性、あるいは本能にまで昇華されている。
メリス リンドの就寝時間は、遅い。
夕食を終え、自室でテレビを見ながらコーヒーをたしなみ、だらけて過ごす。
そうしている間、このひと時だけが自分の物だと実感出来た。やがて日付が変わりしばらくして就寝する。また明日も寝不足の一日が始まる。
更新が遅くなって申し訳ありません。
みなさんもインフルエンザにはご注意を。