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sin red line  作者: たぬき
第二章
16/21

幕間 3


『高度2000、是より弾道飛行に移る。』


 ライオットとアレクは、新しく愛機となったプロトシルフの調整の為、飛行テストを繰り返していた。


「なんだ、この剃刀の上を走る様な操縦性は?」

「技術者が趣味に走ったらしいからな。気を付けて操縦してくれ、男と心中は御免こうむる。」


 極めて繊細な操縦系統、暴力的なまでの加速性能。

 シルフが一応改良されていた事を、極めて良く理解できた。


「何が『貴方なら乗りこなせるわ』だ、あの雌狐。自分の趣味全開で選んだだけだろ。」


 ライオットの愚痴は留まる所を知らなかった。

 それも仕方無いと言えるかもしれない、ほんの少しスロットル操作を誤っただけで、気絶するほどの加速、失速するほどの減速を繰り返し、何とか安定した飛行が可能になったのは、ほんの数時間前だった。


「間もなく引き起こし、3 2 1」


 アレクのナビゲートを聞きながら、引き起こしのタイミングに合わせ、操縦桿(スティック)を引く。

 眼前に迫っていた大地が、急速に下へ流れ視界の半分が空の青に染まる。

 だがその時、ほんのわずかな機体の揺れが操縦桿(スティック)に伝わったのか、機体が大きくバランスを崩した。


「エマージェンシー、機体のコントロールが……」


 ほんの僅かな間、機体はコントロールを失い、そして地面に激突した。

 当然、機体は大破。乗員死亡。


 機体のキャノピーを模したディスプレイ上に“YOU DEAD”の文字が浮かぶ。





 2人はシュミレーターから出ると、愚痴と墜落の原因を話しあいつつ、改修点を語り合った。


「やはり操縦系統が鋭敏過ぎる。有る程度鈍化してもらわないと。」

「レーダー、センサー系統は問題ない。現行のシルフと変わらん。」


 既に何度となくシュミレーション上で墜落している2人は、操縦系統に有る程度の遊びを入れてもらう事とし、今回のデブリーフィングを終えた。


 しかし、乗機の廃棄が決定している身としては、作戦に組み込まれる事も無く日々無為に過ごすだけだった。


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