幕間 2
今回、非常に短いです。
「危ない日に生でなんて……(笑)」
朝食を取りながら、笑顔の威圧を受け、アレクは追い詰められていた。
「責任は取って貰いますからね?」
トーストを齧りながら、内心滝の様な冷や汗を流すアレクは、思わず人生の墓場に片足を突っ込んだ。
「……解った、責任は取る。」
その頃、ライオットは整備場のシーラを訪れていた。
「それで、用とは?」
「……昨日、C整備やったの……」
「ん???」
何故か空気が悪くなり始めた。
「……そうしたら……シルフが……」
一瞬鬼気を迸らせ、シーラは痛みを堪える様に声を絞り出した。
「……シルフが、廃棄処分に決定したわ。」
その言葉を聞いた瞬間、ライオットは全力で逃走を開始した。
メリスが徹底的に彼女にどつき回されたのは、つい先日の事だ。流石に彼も、そんな目に遭わされるのは御免だった。
しかし、ライオットの逃走は、僅か数メートルで終焉を迎えた。
逃走を予期していた他の整備士達により、出入り口はおろか、格納庫のゲートに至るまで、全ての出入り口が閉鎖されていた為だ。
「俺は無実だ!」
「なんのこと?」
シーラに捕獲され、元の位置に引きずって行かれるライオットに、本当に何の事か解らないと言う風に、シーラが答える。
実際シーラにとって、制裁は終了しており、それに引き摺られる事も無かった。
「今日の用件は、新しい機体についてよ?」
以降数時間、シーラの怒りを恐れたライオットは、午前のトレーニングを全てキャンセルし、シーラの新しく入るプロトタイプが如何に素晴らしいか、という演説に付き合わされた。
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