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雨の駅で、君を忘れなかった  作者: アル治


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1/10

第1話  出逢いの気配

前書きで長くなり申し訳ありません。

これはAIと2人で作った作品になります、ご了承下さい。

1話よろしくお願い致します。

雨の駅で、ただ一度出会った君を――忘れたことはなかった。

会社で誰からも好かれる優しい男・悠斗。

彼の周りには、積極的な沙耶、幼なじみの美咲、甘え上手な後輩・梨奈、三人の女性がいた。

その中で、ひとりだけ距離を置く存在がいる。

静かで目立たない同僚・樹梨。

彼女は、自分とは無縁の世界だと知っている。

だから近づかない。関わらない。何も望まない。

けれど――

悠斗にとっては違った。

彼はずっと前から、彼女だけを見ていた。

交錯する想い、静かな駆け引き、すれ違う心。

やがて一つの恋が終わりを迎えるとき、彼ははっきりと答えを選ぶ。

「最初から、決めていた」

何もしていないはずの彼女が、選ばれた理由とは。

これは、誰にも言えなかった想いと、

静かに選ばれたひとつの恋の物語。

オフィスの中は、いつも少しだけ騒がしい。

「悠斗ぉー、これ見てくれない?」

「先輩、ちょっといいですか?」

同時に声が飛ぶ。

呼ばれているのは、いつも同じ人物だった。

「はいはい、ちょっと待って」

困ったように笑いながら、それでもちゃんと、

ひとりひとりに対応する。

悠斗はそういう男だった。

断らない。

適当に流さない。

ちゃんと向き合う。

だから、人が集まる。

「今日、飲み行くでしょ?」

「どうする?」

「んー、まあ行けたら」

はっきり断らないのも、いつものことだった。

その少し離れた場所。

キーボードの音だけが静かに響いている。

カタ、カタ、カタ。

樹梨は顔を上げない。

周りの会話も、笑い声も、すべて背景のように流れていく。

誰とも話さない。

話しかけられることも、ほとんどない。

それでいいと思っている。

(このくらいが、ちょうどいい)

自分の仕事をして、

時間が来たら帰る。

それだけで十分だった。

ふと、視線を感じた。

顔を上げると、一瞬だけ目が合う。

悠斗だった。

「あ…」

小さく息が止まる。

でも、すぐに逸らされる。

悠斗は別の人に呼ばれていた。

「悠斗ー!」

「あ、今行く」

何事もなかったように、その輪の中に戻っていく。

樹梨は再び画面に目を落とす。

(気のせいか…)

でも、ほんの少しだけ。

胸の奥に、引っかかるものが残った。

――どこかで、見た気がする。

その日の帰り道。

駅のホームに立ちながら、樹梨はぼんやりと空を見上げていた。

薄暗い空。

少し湿った空気。

電車が来る音が遠くから聞こえる。

(あの人、人気あるな…)

会社での様子を思い出す。

明るくて、優しくて、誰にでも同じように接する人。

(ああいう人は…)

(ああいう人たちの中で生きてる)

自分とは違う。

住む世界が違う、

関わることはない。

そう思っていた。

電車がホームに滑り込む。

ドアが開く。

人の流れに乗って、乗り込む。

座席に座り、窓の外をぼんやりと眺める。

そのとき。

ふと、頭の奥に何かが引っかかった。

雨の音。

濡れたホーム。

誰かに傘を差し出した記憶。

「……?」

でも、それはすぐに消える。

思い出せないまま、電車は動き出した。

その頃。

同じ駅の、少し離れた場所。

悠斗は1人、立っていた。

電車には乗らず、ただホームを見ている。

(やっと会えた)

小さく息を吐く。

数年前の記憶が、はっきりと浮かぶ。

雨の日。

傘も持たずに立っていた自分。

隣に来た女の子。

静かに差し出された傘。

「使います?」

あの時の声。

あの時の表情。

忘れたことなんて、1度もなかった。

そして今日。

会社で見た。

(間違いない)

少しだけ笑う。

「樹梨………」

名前を、確かめるように呟く。

電車がホームに入ってくる。

風が吹き抜ける。

悠斗はゆっくりと歩き出す。

「今度は、ちゃんと話そう」

その声は、誰にも届かない。

ただ静かに、夜に溶けていった。

1話読んでいただきありがとうございます。

今後もよろしくお願い致します。

予定は10話予定です。

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