表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
綺上院野ばらは、殺せない。  作者: をりふで


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/12

第二話

 綺上院の屋敷に着いた。

 本当に使用人として雇用されるとは。

 立派な門、高い塀に囲まれた屋敷。

 古風な造りだが、素人目でも職人の技術を感じる。

 庭に生えている松の貫禄と存在感が大きい。

 屋敷を案内してくれる人がいなかったら、迷子になる広さだ。

「この先のお部屋に、野ばらさまがいらっしゃいます。くれぐれも失礼がないように」

 四十代後半くらいの使用人の大先輩ーー水島(みずしま)さんに言われる。

「はい」

 僕は着ているスーツやネクタイを確認した。

 水島さんは正座をする。

 僕も正座をした。

「野ばらさま。新しい使用人を連れて参りました」

「いいぞ。入れ」

 落ち着いた口調が返ってきた。

 障子を開けると、二十畳の和室に着物姿の少女が座っている。

 写真で見た、十二歳くらいの少女だ。

 この子が、綺上院野ばらさま。

 なぜ、賞金十億も賭けられているのだろう。

 水島さんは一礼をする。

「野ばらさま、私は失礼します」

「ありがとう、水島。ご苦労だったな」

 水島さんが立ち去り、僕と野ばらさまだけになる。

 挨拶しなければ。

「はじめまして、綺上院野ばらさま。本日より使用人として仕えさせていただきます。百谷かけると申します」

 頭を下げると、野ばらさまは笑った。

「顔を上げていいよ。かしこまる必要はない。あたしは堅苦しいのが嫌いでな」

 野ばらさまは可憐に微笑んだ。

「ようこそ、綺上院の屋敷へ。あたしは当主の野ばらだ。これからよろしくな、かける」

「よろしくお願いします」

 僕は一礼をした。

 父の借金を張消しするために、この子を殺さなければいけないのか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ