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回想1〜猫人との出会い〜

猫人ライドット、このクロブチ柄の描人(びょうと)の青年は兎人の二人にとっては命の恩人だ。


彼はラファエル達兄弟と旅を始めて5年になる。

彼の目的は兄弟達と同じく、彼らの母、その亡骸を探し、埋葬する為の旅である。


噺は大きく遡るが、この世界はヒトが生きていたであろう2000年代から約一万年後の世界。西暦にして12024年。


高度な文明を築いてきたヒトは戦争の末に未知のウイルスや化学兵器によって、自らの文明の殆どを失い世界に大きな変化をもたらした。


その末路の延長にあるのがこの世界なのである。


いつしか、世界はかつてのヒトに成り代わりケモノの姿をした新人類(獣人)が世界を支配するようになる。


そして、ここは原初の爆心地であり、感染原。ディストピアとなった日本ーー。


過去に世界からありとあらゆる技術とノウハウが集まっていた世界の大商地、日本。


しかし、それ故に戦争の中心に巻き込まれた。そこには、現在では正しい生命の形はなく、近寄り難い魔境の島となっていた。だが、その島はありとあらゆる未知のお宝が眠ると言われ、いつしか黄金島のジパングと呼ばれるようになった。


黄金の島、それはありとあらゆる災いをもたらすが手にすれば優位に立てるテクノロジーの塊がある。各国の獣人たちはこぞってジパングにキャラバン隊を派遣し、富と名声を得るために争い合っている。


そんな、ジパングの最北端、オタルで盗賊の下っ端をしていたライドットはアメリア帝国と呼ばれる大国から大きな奴隷キャラバンの船が着くのを舌なめずりしながら見つめていた。


奴隷キャラバンの船から続々と多種多様な種族がゾロゾロと足に綱を繋がれ降りてきた。


ジパングのオタルは最も汚染が低く各国が寄港する港とされている。


オタルには各国の選りすぐりの猛者達が集まる。しかし、一歩オタルを出れば過酷な生活が彼らを待っている。拠点であり多く店や物が溢れかえる場所、そのような場所で奴隷はどのように扱われるか?


想像するに易く慰安である。


各国のキャラバン派遣船から降ろされる兎人や、鼠人(ねびと)、そして豚人(とんと)その殆どは奴隷である。


彼らは獣人のカースト下位に属する。

その殆どが年端もいかない若い子供達であった。


「全くなぁ、知ってるけどマジで気持ちワリィな。クソが。」


ライドットは寄港した船に居る内通者にサインを送り船の中身に、警戒する者が居ないことを確認した。



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