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猫人のライドット
獣達が立ち上げる砂埃がみるみるうちにラファエル達に近づいてくる。
「兄さん!大変だ!何処にも隠れるとこ無いよ!」
ミカエルは近づいて来る砂埃を確認し、周囲を見回したが、何も無い荒野に焦燥の声を上げる。
「待って!静かに!」
ラファエルは耳を澄ませながら目を細め水平線を見つめる。
ドゥルルル!
小さな機械に跨った人影が近づいて来る。
「あっ、あれ!」
ラファエルが指を指す方向に獣達とは違った砂埃と煙を上げながらコチラに向かってくる姿を確認した。
「ライドット叔父さんだっ!」ミカエルは嬉しそうにピョンピョンと跳ねると、コチラに向かってくる人影は大きく手を振った。
ガザザザっ!
古いスーパーカブに跨った猫人の青年は二人の前に急転回して手招きした。
「よがったー!間に合った!ほれっ!さっさと乗れ!!」
ラファエルとミカエルはライドットの背中に飛びつくように飛び乗ると、同時にスーパーカブは砂埃を上げコチラに向かうビーストに対して垂直方向に急速前進した。