お探しはコチラの玉で?
「コッチだ!でくのぼう!」
ラファエルは足元にあった小石を赤く光る部位に向けて思いっきり投げつけた。
「ガっ、ピピッ。敵性反応あり。対象の排除を開始します。」
巨大な機械はラファエルにギシギシと音を鳴らしながらラファエルに焦点を集め始めた。
「またあの光が来る!!」ラファエルは素早く横に飛び抜けた。
機械から放たれる赤い光は縦に真っ直ぐに薙ぐとその筋に沿って黒い線が走ると共に白煙がそこからモクモクと立ち上がる。
「うっ、あの赤い光!僕の目を焼いた光だ!」
ラファエルはあの悪夢の光景と対峙しなければ自分、それどころかミカエルの命でさえも守れないという現実に両方の脚がガクガクと震えるのを堪えていた。
「こ、こわいよ。お母さん。誰か助けて…。」
ラファエルがそう呟くと何処かから歌が響く。
「上を向いて〜、歩こうよ〜。」
ラファエルは伏せた状態で耳をピンと張って目を閉じた。
「え?歌?足元から…」
「うっうわぁ!」
ラファエルの足元がパカッと2つに別れると中から球体の金属がフワリと飛び上がった。
「声帯及びDNA認証、確認。」
丸い玉が中に舞うと巨大な機械は攻撃行動を止めソレに視点を合わせた。
「しょ、照合。、中、、。……所長、清水真美の脳波を検知。最高権限者の復帰を確認しました。現在の侵入者に対する処置について指示を願ます。」
巨大な機械たちは突如その球体に青い光を照射した後にお座りの様な体制になり大人しくなった。
「え?なんでリムーバー起動してんの?って、なんじゃあコリャ!」大きな機械に対しては驚いていなかった浮遊する玉は周囲の荒廃具合に驚いてぐるぐると高速に回転していたーー。