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歴史は逆行する

タマの提案に乗った一同は古い線路が通る南の洞窟を目指し進む事となった。


キャンプを離れてから約半日以上歩き通し、朝から一行は何も食べる事もなく黙々と突き進んでいた。


タマが指し示した地図によるとカリワという場所からウヲヌマという場所まで休みなく歩いて来ていた事になるようだ。


先頭を進むライドットは後を振り向く事なく俯きながら先を進む。


キャシーは後続で子供たちのサポートしながら苦言を述べる。


「ライ!あんた、急ぎ過ぎだよ。皆バテバテだ。このままじゃ何かあったら総崩れだよ!」


キャシーに背を押される子供達は皆、顔面蒼白であったが必死にライドットの背中についていこうとしていた。


「うっ、すまん。少し昔の事を思い出してイライラしていた。本当にすまない。みんな、休憩しよう!」


キャシーに指摘され我に返ったライドットは足を止めて背の荷物をその場に降ろした。


「どうしたんだい?アンタ。らしくないじゃないか?」


「勝手すぎる我儘なんだが、アメリアの騎士団にだけは先を越されたくなくてな。」


−−−

ライドットの幼き日。


彼は人なき世界のアメリカ大陸に後の獣人達が治める国、アメリアで生を受ける猫人(びょうど)の男子だ。


彼らの時代に至るアメリカ大陸の国勢は、先祖返りしたように一国でありながら各州は争い競い続け、バラバラとなっていた(世論としてはワシントンDCを中心とした一国であり、国名としてはアメリアとなる)。


特に大きな湾港を持ったニューヨーク(現、東アメリア)とロサンゼルス(現、西アメリア)では日本(現、宝島ジパング)を巡ってバチバチにやりあっていた。


ライドットはカリフォルニア州のサンフランシスコ(現、サンフィッシュと呼ばれる)にいた領主の息子である。


大きく西と東に分かれる前に、北と南で大規模に戦争が起こる。


その際にライドットは敗北の一族となり、奴隷として扱われてきたのだ。

戦争は後にも先にも起こるべくして故に今はある。そして、人は今ある。それは悲しくも人の物語である。

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