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~1~


「クラウスさま~」


 銀色の髪を左右に揺らし、手を振りながら軽やかに走り駆け寄ってくる美少女。

 

「ローザ。走ったら危ないよ。転んだらどうす……」

「あっ!」


 小石につまずき転びそうになる美少女を、軽やかに両手で抱き寄せると、

「ほら、危ないだろう。まったく、お転婆さんだな」


 そう言ってクラウスはローザを抱き上げた。


「ごめんなさい。クラウス様の姿を見たら、早くおそばに行きたくて、つい」


 はにかむようにクラウスの腕の中で俯くローザに「まだ、高いヒールは慣れないかな?」と、わざとらしく煽ってみせた。


「そんなことはありませんわ。もうすっかり慣れましたのよ。靴擦れもしなくなったし、体重のかけかたも覚えたわ」


 自慢げに話すその顔が可愛らしくて、クラウスはローザの手を取り歩き出すのだった。


「もうすぐローザもデビュタントだ。やっと一緒に夜会に参加できるね」


「ええ! とても楽しみだわ。しっかりエスコートしてくれるのでしょう?」


「ああ、もちろん。皆に自慢して回るのが楽しみだよ」


「まあ。うふふ」


 薄っすらと頬を染めるローザを見つめながら、クラウスは腹の底から安堵していた。


『やっとここまで来たか。長かった……』


 決して口にしてはならないその想いをぐっと飲みこみ、愛らしいローザに笑みを返すのだった。




安心して読んでいただけると思います。

よろしくお願いします。

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