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第四話 刀作り

「レッドドラゴンの巣から発見されたオリハルコンを使って刀を作ろうと思う。」


 一人きりの部屋でそう決意したレイは、いきなりオリハルコンを使って刀を作り、失敗したらもったいないと思い、まずは鉄で作ってみることにする。


「あれ?でも、刀の素材って玉鋼だったっけ?まぁ、いいや。練習だし鉄でもできるでしょ。」


 アイテムボックスから鉄鉱石を取り出すと魔力を通し始める。


「まずは、周りの鉄じゃない部分を取り出すイメージ。そして、鉄の中にある不純物を取り出す。」


 レイはそんなイメージで鉄鉱石に魔力を通すと純度百パーセントの鉄ができる。さらに刀をイメージした魔力を流し込むと。


「できた。素材は違うけど鉄の刀ができたぞ。ここに無属性魔法の付与をすれば完成だ。どの属性の付与にしようかな?無属性の鋭利化や強靭化でもいいけどもっと派手にしたいな。ん-、今回は火属性を付与してみるか。」


 こうして、火属性を付与した試作品刀一号が完成した。


「ちゃんと付与できているか確かめたいな。転移。」


 無属性魔法の転移を使うと景色が一瞬にして森の中に変わった。


「やっぱり、試すなら魔物の森でしょ。」


 レイは常時発動のサーチを使い、魔物を探す。


「レッドドラゴンが一番強い魔物だったみたいだな。ドラゴンくらい強い魔物で試せたら分かりやすいんだけどな。」


 最強種のドラゴンを自分が作った刀の試し切りに使うなどレイにしかできないことだ。ここにはレイしかいないため、自重は全くない。


「お、ワイバーンだ。」


 嬉しそうにレイはワイバーンめがけて()()()()()

 無属性魔法の飛行により、空を自由に飛べるレイはすぐにワイバーンの元までたどり着く。そして、ワイバーンと並走すると刀に付与した火魔法を発動する。


「うん。付与は成功しているみたいだ。」


 刀の周りが炎で包まれた。そして、刀をワイバーンの首をめがけて一線。いつもなら血が噴き出すが切った断面が火で焼かれているため血が出なかった。それに、前まで切る瞬間に感じていた少しの抵抗が感じなかった。


「鉄の付与でこのレベル。これがオリハルコンなら。」


 レイは誰もいない魔物の森の上空でニヤニヤしていた。

 すると、切ったワイバーンが落下していることに気が付き慌ててアイテムボックスで回収したレイは、ニヤニヤしながら転移魔法でまた屋敷の自室に戻った。


「よし、オリハルコンの刀を作るぞ!」


 鉄の刀の効果を確認して上機嫌になったレイは本命のオリハルコンの刀制作に乗り出した。


「まずは、鉄と同じように魔力を流して周りの不純物を取り除こう。」


 オリハルコンの鉱石に魔力を通すと周りに着いた不純物がボロボロと落ちていく。


「よし。そして、オリハルコン内の不純物を取り出すために魔力を流し込んで、、、。ん?魔力が流れにく。」


 鉄の時とは違い、オリハルコンに抵抗されているような感覚がする。


「なかなかうまく流れないな。もう少し流す量を増やしてみるか。」


 鉄の時の倍以上の魔力を流し込むとだんだんと不純物が取り除かれて行って綺麗な金属になった。


「それじゃあ、刀の形にしていきますか。」


 刀の形にするべく魔力を通すがやはり魔力のとおりが悪い。しかし、レイは膨大な魔力量にものを言わせて無理やり刀の形にしていく。


「できた!!」


 そこには伝説の鉱石でできたひと振りの刀ができた。


「ここに付与していこう。ん?鑑定。」


 何か違和感を感じたレイはオリハルコンの刀に鑑定をかけた。


 〈名前〉聖刀

 〈付与〉未登録九枠


「すごい。この刀には付与の枠が九枠もある。」


 ちなみに先ほど作った鉄の剣は三枠で鋭利化、強靭化、火属性を付与した。ちなみにレイが作った刀だからこうなっているわけであって、国宝になっている剣でも付与は二つである。武器づくりにおいてもレイは、規格外であった。


「んー。何を付与しようかな。とりあえず、属性魔法はすべてつけよう。」


 まず、火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、光魔法、闇魔法を付与する。


「あと、三つか。迷うなぁ。んー、とりあえず簡単に刀が折れないように強靭化をかけて、ずっときれいな状態に保つために自動洗浄とあと一つかぁ、、、。」


 レイが悩んでいるとあることに気が付いた。


「この刀って鑑定をかけられたら大騒ぎになるんじゃないかなぁ。」


 ここにきてレイは自重を忘れていたことに気付いたがもう取り返しがつかない。オリハルコンの刀の製作に付与を八つもした。レイの魔力がとてつもなく多くても半分くらいは消費しており、また元に戻すのは、もったいないと思ってしまったのである。


「鑑定対策を付けないと。鑑定防止。」


 ここに誕生した刀は王国の英雄の刀として国宝となるが、その本当の価値を知ることができるのは一人たりともいなかった。

誤字脱字報告お願いします。

最後の文についてですが、オリハルコンの刀としての価値はありますが、ただそれだけであり、付与については誰もわからなかったということです。

また、レイが剣を作らずになぜ刀にしたのかというとレイが日本生まれでなじみが少しでもあったことと作者の勝手な憧れです。

「なんか剣が主流の異世界とかで形が全く違う刀をもって無双ってかっこよくね」って思ってしまいました。すみません。

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