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第三話 魔物の森

 父上が王都に旅立ってから一週間がたった。

 侯爵領から王都までの距離を考えるともう王都にはついて謁見をしている頃だろう。


 父上が王都で忙しくしている間、僕はというと、、、。


「よし、ワイバーンくらいなら余裕で倒せるようになったぞ。」


 僕は領地にある魔物の森に来ていた。ワイバーンはこの世界で最強種の竜種である。しかし、竜種の中でも亜竜と言われており、他の竜に比べると強くない。


「もっと奥に行けば強い魔物がいるはず。今の自分がどのくらいの力なのか知りたいからな。」


 通常、軍隊を派遣してやっと倒せるレベルのワイバーンを一人で五十体程倒したレイはさらに強い魔物を求めて森の深くまでやってくる。

 無属性魔法を用いたレイのサーチではどこにどんな魔物が生息しているのかわかるようになっている。使い勝手のいいサーチをレイは常時発動している。


「あっちの方に大きな魔物がいるな。この魔力量でこの大きさだともしかしてあいつは、、、。」


 レイは森の奥に向かって音速を超えるスピードで走った。風圧により、多くの魔物がこの世を去ったがレイは風の音と自分が纏っている空気で血が付かないため気づくことはなかった。


「あ、いた!!」


 そこには、赤い鱗を身にまといトカゲのような形をしているが背中には翼が生えた魔物がいた。そう、レッドドラゴンである。

 そのレッドドラゴンは寝ていたが僕が走ってできた風により、目を覚ました。


「レッドドラゴンか。なかなか強い相手だけど勝てるかな。」


 レイは踏み込んで一気にレッドドラゴンとの距離を詰める。レッドドラゴンは一瞬目を見開いたが、さすが魔物の頂点に位置する存在。レイの剣を軽々と爪で弾いた。


「くそ。やっぱ強いな。あんなに大きい身体なのに反応速度が速い。」


 そういうレイもまだまだ全く本気を出していない。


「さすがに身体強化なしではきついかな。それに、あの鱗も爪も硬すぎて僕の剣が折れそうだ。」

「ガァァァァァァゥゥゥゥゥゥ」


 レッドドラゴンの咆哮があたりに響いた。

 よく見ると大きく口を開き、魔力が開いた口元に集まっている。

 次の瞬間、レイがいる場所に火のブレスが放たれた。すかさずレイは身体強化を発動し、ブレスを紙一重で避ける。避けた勢いそのままレイはドラゴンに向けて走り出す。そして、ドラゴンの首元まで跳び剣に鋭利化と強靭化を付与した。

 横に剣を一戦したレイは重力に従って地面に降りた。今まで大きな咆哮を上げていたレッドドラゴンは静かに倒れ、その拍子に首が転がった。


「ふぅ、何とか倒せたな。さすがに身体強化を使わなかったら勝てなかったから今回魔法を使ったのは仕方がないよね。」


 そんな言い訳を周りに人がいるはずもない魔物の森の最奥でつぶやくと転がっているレッドドラゴンに手を向ける。


「アイテムボックスにこんな大きなドラゴンはいるかな?」


 アイテムボックスを起動すると横たわっていたはずのレッドドラゴンが一瞬にして姿を消した。


「うそ。入っちゃった。」


 レッドドラゴンほどの巨体でも魔力量がすでに人外になっているレイにとっては全く問題がなかった。

 レッドドラゴンの素材が手に入ってホクホク顔のレイは辺りを見渡すと洞窟を見つけた。


「あったぞ。レッドドラゴンが集めた宝石や鉱石はどんなものがあるんだろう。」


『ドラゴンは光るものが好き。』そんな定番の設定を忠実に守っているこの世界ではドラゴン討伐の醍醐味の一つがこれだ。


「んー、宝石類が多いな。宝石にも付与ができたりいろいろな使い道はあるけど、やっぱり鍛冶ができる鉱石とかがいいなぁ。」


 すると、ある一つの鉱石に目が留まる。


「これは、、、。鑑定。」


 無属性魔法の鑑定を発動するとこの鉱石が伝説のオリハルコンだと分かる。


「すごい。これだけでもこの森に来たかいがあった。」


 とりあえず、レッドドラゴンの巣にあったすべてのものをアイテムボックスにしまったレイはホクホク顔で屋敷に帰るのであった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 身体強化使えよ、魔法を使っちゃいけないのは命の危険があるからでしょここで魔法を使わずに命を危険に晒したら本末転倒じゃん。
2022/06/10 16:08 退会済み
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