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第二話 オールマジシャン

 父上の執務室の扉の前で僕はたたずんでいた。


「あぁ、やっぱり全属性使えるって異常なのかな。それに父上のあの反応、、、。言わなかった方が正解だったのか?」


 答えの出ない問いを永遠と考えていると姉上が話しかけてくれた。


「レイ。大丈夫よ。私たちはあなたの味方だから。父上も混乱しているだけよ。嫌なことほど早くすましちゃいな。」

「姉上、、。ありがとうございます。行ってまいります。」


 精神年齢が自分よりもめちゃくちゃ下の姉上に励まされるなんて、ちょっと恥ずかしい。でも、勇気が出た。

 僕は意を決して父上の書斎の扉をノックする。


「入れ。」

「失礼します。父上。」


 扉を開けると父上は書類の整理をしていた。山積みになった羊皮紙を見て、サラリーマン時代の記憶が蘇る。


「レイ、よく来てくれた。もう少しで仕事が終わるから待っていてくれ。」


 そう言うと父上は机の上の羊皮紙に何か書き始める。

 少し時間が経つと父上は顔を上げた。


「待たせたな。」

「いえ、もうよろしいのですか。」

「あぁ、今日中に片付けなければいけない仕事はもう終わった。」


 父上は椅子から腰を上げ立ち上がった。そして、棚から水晶を取り出し、僕が座っているソファの前の机に置く。


「これは、魔法水晶と言って触れた人のステータスを見ることができる水晶だ。レイを疑っているわけではないが、この水晶に触れてみてくれ。」


 僕が水晶に触れると何やら半透明の文字が浮かび上がった。


 〈名前〉レイ・フォン・スタンフォード

 〈種族〉人間 〈性別〉男

 〈職業〉スタンフォード侯爵家次男


 〈HP〉#$%&%$&%$#%/#$%&%$&%$#%

 〈MP〉#$%&%$&%$#%/#$%&%$&%$#%

 〈魔法適性〉火魔法 水魔法 風魔法 土魔法 光魔法 闇魔法 無属性魔法 生活魔法 身体強化



 女神の加護


「ん?なんだこれは?魔法水晶が壊れたのか?」


 父上が魔法水晶が壊れていると思い、自分の手を水晶に重ねた。


 〈名前〉アレン・フォン・スタンフォード

 〈種族〉人間 〈性別〉男性

 〈職業〉スタンフォード侯爵


 〈HP〉1,800/1,800

 〈MP〉600/600

 〈魔法適性〉火魔法 土魔法 生活魔法 身体強化


「あれ?壊れていないな。」

「父上、何かまずいことがあるのですか?」

「あぁ、職業まではいい。それ以下のステータスがよくわからんな。体力を示すHPと魔力量を示すMPが文字化けしているし、魔法適性は聞いていたからいいとして、最後の女神の加護というのはなんだ?」


 魔法適性以外に異常なものがいっぱいあったらしい。


「私のステータスが正常に表示されているから魔法水晶が間違っているというのはないな。」


 父上は小言で考え始めた。数分考えていると突然何か思ったのか顔を急に上げた。


「まさか!?魔法水晶で測れないレベルということか!?そんなこと王国史始まって以来の出来事だぞ。」


 なんかすごいことらしい。


「あぁ、陛下になんと報告すれば、、、。」


 今度は頭を抱えて悩み始めた。今日の父上は絶好調である。


「成熟していると思っていたがここまでとは、、、。レイ、お前には五歳の洗礼があるまでは魔法の使用は禁止だ。そして、五歳の洗礼が終わったらすぐに王都に行き陛下に謁見するぞ。もう、私だけでは判断できん。」

「分かりました。でも、なんで魔法を使ってはいけないのですか?」

「お前が全属性使えてHPもMPも魔法水晶では測れないレベルだと知れ渡ると他国からの間者に殺されるかもしれん。」

「えぇ!?そんなにですか!?」

「当たり前だ。お前の存在は一人戦場にいれば戦況が変わるレベルだ。そんな奴が敵国にいるとわかると真正面から戦は挑まん。間者に暗殺させるに決まっている。」


 なんと僕は他国から狙われるレベルの存在らしい。


「陛下にはあらかじめ、私自ら王都に行き報告してくる。私がいないからといって魔法を無暗に使うなよ。」

「はい。わかりました。」


 そう言うと父上はすぐに出立の準備をはじめ、翌朝には王都に向けて出発していった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 文字化けするhpを持つものを暗殺できるのかな?
2022/06/10 16:06 退会済み
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