プロローグ
小説を書くのは二作目です。一作目は、あまりいい出来ではなかったのでこちらに力を入れようと思います。応援よろしくお願いします。
「ふぅ~、これで今日の仕事も終わりだな」
「お疲れ様です、係長。」
朝日が昇り始めたころやっとの思いで仕事が終わった俺は、帰りの支度を始める。
「お前はまだ終わらないのか?」
「はい。部長が持ってきた資料が多くてなかなかまとまらないんです。」
そういった男の机には山になったファイルが絶妙なバランスで立っていた。
「手伝おうか?」
「四日も家に帰ってない係長に頼めないですよ。」
この会話で分かっただろう。うちの会社はブラックだ。元々はそこまでブラックではなかった。だが、事業が失敗する内に様々な事業に手を出したせいで仕事量は大幅に増えた。新しい事業に関して知識ゼロからのスタートであるため、知識を企画を考え、実行する。そうしている間にも知識や経験がある他企業は新しい商品・サービスを開発しているというのに。
完全に後手に回っているが、始めるときに莫大なお金がかかっているため、引くに引けずに現在に至る。
「もう少し、人増やせないんですかね?」
「無理だろ。うちの経営状態で人を増やせるわけない。むしろ、上は人件費をいかに削るか考えてるだろうよ。」
「あぁ、完全にブラックっすね。」
「そういうな、悲しくなるだろ。」
「すみません、じゃあ、お疲れ様です係長。ゆっくり、休んでください。」
「ありがとう。またな。」
俺は、朝日を真正面に浴びて伸びをし、帰路に就いた。
朝は、好きだ。空気がおいしい。四日間、会社に缶詰め状態だったから余計にうまい。
こんな日はモーニングでも食べてから帰ろうかな。
そんなことを思いながら道を歩いていると急に意識が朦朧としてくる。
「あれ?おかしいな。道が揺れているような感覚が、、、。それにしても周りは普通に歩いているな。疲れているのか。」
フラフラしながら歩いていると更に強い眠気に襲われる。
「家まであと少し。この踏切を超えればもう着いたも同然だ。」
眠気を感じつつも歩き続け踏切まで到達した。ここで、電車が来て轢かれてしまった。なんてこともなく、マンションの玄関までたどり着いた。
「あとはこの玄関を抜けて、エレベーターに乗って家に行くだけ。」
自分でも当たり前のことを口にしていることに気が付いていたが、なんか口に出さなければ力が入らなかったのだ。最後の力を振り絞り、エレベーターのボタンを押し、自分が住む階に到着する。
「あとちょっと。」
玄関の扉を開けて中に入る。
「着いたぁ。」
そのまま玄関で倒れこんでしまった。
意識が薄れていき、玄関の天井がぼやける。
『ん?なんか全く体に力が入らん。』
声を出すこともままならず、いつもは寝返りが打てるのに今回は全く打てない。
そう考えていると糸が切れたように意識がなくなった。
誤字脱字報告お願いします。
明日、二十一時に三話ほど一気に公開します。ブックマークお願いします。