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償ひの道、あるいはハンムラビの法典 Codex Hammurabi  作者: ハンムラヒ王/Leonard William King(英訳)/萩原 學(邦訳)
主の掟、あるいは償ひの道 The Code of Laws
99/111

260. 水桶(?)の代償

260. 何人も、(川や運河から水を引くために使用される)()釣瓶(つるべ)または(すき)を盗むに於ては、金子(きんす)3シケル(つぐな)ふべし。

If any one steal a shadduf (used to draw water from the river or canal) or a plow, he shall pay three shekels in money.

260.人が水桶または馬鍬(まぐわ)を盗むに於ては、銀3シケル償ふべし。

If a man steal a watering-bucket or a harrow, he shall pay 3 shekels of silver.(Harper translation)

挿絵(By みてみん)

260. shadduf:"shadoof"または"shaduf" とも。「槔」または「橰」の漢字あり。水桶・錘を天秤棒の両端に取り付け、水源近くに支点を据えた水汲み機。外観はシーソーに桶・錘が付いた形で、水の重量に錘が釣り合うため、楽に水汲みできる。原理はエレベーターそのもの、但し動力は人力。ご存知ない方のために載せた挿絵は、エドワード・モースが大隅地方の農家を描いたもので、今となっては貴重な1枚。

もっとも、盗まれた品目をキング版は"a shadduf or a plow"、ハーパー版は"a watering-bucket or a harrow"、佐藤先生は「開墾鋤または馬鍬」とされていて一致しない。犁は牛馬に牽かせる耕耘機、鋤は和式シャベル、馬鍬ハローは牛馬に牽かせる熊手の1種。ハローは熊手のトゲトゲが複数列並ぶので、大きさはプラウに匹敵する。「盗む」というのは、実際には無断拝借が多かったのであろう。撥ね釣瓶で揚水したなら、バケツ部分はどうしても傷みが来る筈で、しかし木材はレバノンからの輸入品。気軽に修理交換もできず、人様の物をコッソリ拝借に及んだか。ハローに至っては牛に繋いで使ったので、使い終わって放置していたら、何処かの牛追いが自分の牛に繋いで持っていったとか。まあ根拠はないので勝手な夢想である。

円匙シャベルの普及で見なくなった「鋤」は、用途も形格好も似たようなもので、但し木製品ゆえ刃が着かないものと思えばよい。

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