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償ひの道、あるいはハンムラビの法典 Codex Hammurabi  作者: ハンムラヒ王/Leonard William King(英訳)/萩原 學(邦訳)
主の掟、あるいは償ひの道 The Code of Laws
80/111

202 - 214. 傷害(殴打)の罪

ハンムラビ法典は量刑を定め、罪を贖う道を示すものである。実は判例集なので、ここに掲げられた賠償額は、犯した罪に釣り合うものとして、当時の社会で了解されていた事となる。

202. 何人も、高位の人を殴打したなら、鞭打ち60を公衆の前に受けるべし。

If any one strike the body of a man higher in rank than he, he shall receive sixty blows with an ox-whip in public.


203. 人が他の人又は相当の身分の人を殴打したなら、金1ミナを償ふべし。

If a free-born man strike the body of another free-born man or equal rank, he shall pay one gold mina.


204. 奉公人が奉公人を殴打したなら、銀10シケルを償ふべし。

If a freed man strike the body of another freed man, he shall pay ten shekels in money.


205. 奉公人の下男下女が奉公人を殴打したなら、下男下女は耳を削ぎ落とさるべし。

If the slave of a freed man strike the body of a freed man, his ear shall be cut off.


206. 人が喧嘩して他人を殴打し傷つけたなら。「故意に傷つけたものではない」と誓ひ、治療費を負担すべし。

If during a quarrel one man strike another and wound him, then he shall swear, "I did not injure him wittingly," and pay the physicians.


207. その人が負傷から死に至ったなら。同様に誓ふべし、故人もし人ならば、金半ミナを償ふべし。

If the man die of his wound, he shall swear similarly, and if he (the deceased) was a free-born man, he shall pay half a mina in money.


208. 奉公人であれば、1/3ミナを償ふべし。

If he was a freed man, he shall pay one-third of a mina.


209. 人が女の人を殴打し、胎児を失うに至らしめたなら、銀10シケルを償ふべし。

If a man strike a free-born woman so that she lose her unborn child, he shall pay ten shekels for her loss.


210. 女が死んでしまったら、加害者の娘が死を賜るべし。

If the woman die, his daughter shall be put to death.


211. 殴打により、奉公人程度の女が児を亡くしたなら、銀5シケルを償ふべし。

If a woman of the free class lose her child by a blow, he shall pay five shekels in money.


212. その女が死んでしまったら、金半ミナを償ふべし。

If this woman die, he shall pay half a mina.


213. 人のメイドを殴打し、その児を亡くしたら、銀2シケルを償ふべし。

If he strike the maid-servant of a man, and she lose her child, he shall pay two shekels in money.


214. そのメイドが死んでしまったら、金1/3ミナを償ふべし。

If this maid-servant die, he shall pay one-third of a mina.

a free-born man:特定の階級、おそらく支配階層に属する男子を指す用語であったと考えられる。とはいえ、全く自由な、神にも等しい人が、そこらを普通に歩いているなどという社会は、現代日本くらいではなかろうか。

つまり日本語では「社会人」と訳して良さげ。だが、ここでは英訳者に従い「自由人」と訳す。

one gold mina:マヌー(シュメール語「マナ」)は重量単位で、約500g。おそらく money の語源。

one-third of a gold mina:奴隷の購入額に相当。

shekels:シクル(シュメール語「ギン」)は重量単位で、約8g。銀60シクル = 金1マナ。

in money:まだ貨幣は存在せず、実際には銀の薄片を用いた。重量を量って使うため『秤量貨幣』ともいい、後の硬貨の基になった。

ここで money と称するのは、我が国でいう「金〇〇円」の「金」に当たるが、「金10シケルの銀」では混乱しそう。

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