195 - 201. (目・骨・歯)傷害の罪
おそらく旧約聖書『出エジプト記』21章
24 目には目、歯には歯、手には手、足には足、
25 焼き傷には焼き傷、傷には傷、打ち傷には打ち傷をもって償わなければならない。
の元になる部分。ハンムラビ法典が復讐法だというならば、ユダヤ教キリスト教も『償い』ではなく復讐の教えとなろう。実際にハンムラビ法典が定めるのは量刑である。罪の重さを量り、これに応じた罰を報い、以て正義を回復するものであって、個人的な感情をぶちまけた復讐を許すものではない。もちろん「罪の重さを量る」ことができるのは、正義の神の力を借りて裁判するものだからで、なればこそ裁判を Justice と呼び、法官なり証人なり神前に宣誓する必要がある訳である。
195. 子が父を殴りしに於ては、その両手を刎ねらるべし。
If a son strike his father, his hands shall be hewn off.
196. 人が他人の目を抉り出したなら、その目を抉り出さるべし。
If a man put out the eye of another man, his eye shall be put out.
197. 他人の骨を砕いたなら、その骨を砕かるべし。
If he break another man's bone, his bone shall be broken.
198. 使用人の目を抉り出し、又は骨を砕いたなら、金1ミナを償ふべし。
If he put out the eye of a freed man, or break the bone of a freed man, he shall pay one gold mina.
199. 人の下人の目を抉り出し、又は骨を砕いたなら、その値の半額を償ふべし。
If he put out the eye of a man's slave, or break the bone of a man's slave, he shall pay one-half of its value.
200. 人が同じ身分の者の歯を折ったなら、その歯を折らるべし。
If a man knock out the teeth of his equal, his teeth shall be knocked out.
201. 奉公人の歯を折ったなら、金1/3ミナを償ふべし。
If he knock out the teeth of a freed man, he shall pay one-third of a gold mina.
以上のとおり、ハンムラビ法典は『目には目を、歯には歯を』と言ってはいない。1000年遅れて成立した旧約聖書は、本書ほど体系的ではなく、変質し、より重罰となった罪は有っても、軽くなったものは無い。あまり比較の対象にしない方が良いかもしれない。




