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償ひの道、あるいはハンムラビの法典 Codex Hammurabi  作者: ハンムラヒ王/Leonard William King(英訳)/萩原 學(邦訳)
訳者緒言
7/111

凡例

any one, a man, a free-born man:何れもアッカド語 "a-wi-lum" に宛てた英語につき、「人」で通す。

「自由人」との訳語は、古代ギリシア諸都市の例に倣ったもの。ところが、参戦を義務とした代わりに経済活動を奴隷に任せたギリシア/ローマ市民とは異なり、古代バビロニアのアウィルム階層は凡ゆる経済活動を自ら家業として担ったらしい。

freed man:「奉公人」とする。ムシュケーヌム MAŠ.EN.KAK の訳語に当てられたこの英語は「解放奴隷」を意味し、彼が slave を持つという記述から slave より上の階級と目される。一方で「人に仕える」ともされるから、

a-wi-lum/MAŠ.EN.KAK/wardam

の3階層があったものと考えられ、これを

支配層/平民/奴隷

と当て嵌めた解釈が行われてきた。ところが、これはむしろ特殊な存在であったらしい。

slave:「下人」「下男・下女」とする。ワルダム wardam に当てたこの英語は「奴隷」であるが、当時そもそも賃労働など存在せず、契約して雇われる者はワルダムであったらしく、どうやらこれは、身分制度としての奴隷ではないらしい。「売り買いされる」という点では奴隷と変わらないけれど、「売り買い」が雇用契約を意味するように見えてならない。

put to death:「死を賜る」とする。当初「死刑に処す」と訳したが、どうもそれだと座りの悪い箇所があり、『死刑』として当時行われたか疑問。

garden:普通に『庭』と訳していたが、ナツメヤシを栽培する果樹園のことらしい。メソポタミアに樹木は乏しく、草木に覆われた観賞用の庭園など、『空中庭園』しか無かったようである。

in money:「金子」としていたが、これだと「きんす」ではなく「かねこ」と読まれる恐れがあり、日本全国の「かねこ」さんに「貴方の事ではない」と今さら申し開きするのも面倒なうえ、「金子」は元々金貨を指したようだから、「銀子」と改める。

未だ貨幣は存在せず、金銀を量って用いた。これを秤量貨幣とも称するのは今日の呼び方で、金か銀かは厳しく区別された筈、この表現になるのは銀と思われる。

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