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償ひの道、あるいはハンムラビの法典 Codex Hammurabi  作者: ハンムラヒ王/Leonard William King(英訳)/萩原 學(邦訳)
訳者後書き
110/111

夏風邪と肩凝りの病苦を紛らわすべく始めた翻訳も、何とか冬が来る前に終わらせる事が出来た。機会があれば改訳すべきものではあるが、ひとまず終わりとする。


本書の底本には、Wikisource にて公開されている Leonard William King による英訳版(1910)を用いた。同じものが Yale low school の Avalon project にも採用されているので、標準的解釈と思いきや。意味の通らない条文があちこち出てきて、Robert Francis Harper による英訳版(1904)と比較したら、どうにも精確を欠くようだ。

一方でハーパー版は序と跋を欠き、何より作者を動かしたであろう宗教的高揚が感じられない。おいしい刺身を念入りに煮沸消毒して出されたような味気無さは、法学者なら評価の対象でも、読んで面白いものではない。

文句を垂れつつも、翻訳に利用出来た事には感謝至極。翻訳していて、自分でも面白かった。と同時に、訳文に空いた穴の大なるは認めざるを得ない。


バビロニア帝国は、ハンムラビ王の後に収縮する。後継者も別段、手を抜いた訳ではなく、彼なりに努めた事であろう。

どうやら価格変動をご存知なく、「我が掟揺るがす勿れ」と、呪詛を以て固定値据え置きに拘ってしまったハンムラビ王ご自身にも、責任の一端は有ろう。

もし跡取り息子にして同等以上の才能であれば、そこを何とかする可能性が有ったかもしれぬ。しかし天分修練の違いは甚だ大きく、法典を再整備どころか、相次ぐ反乱に悩まされる日々。さぞ我が身の未熟に臍を噛む思いであったろう。訳者もまた、その心境にある。


最後まで読んでくれて有難う。ハンムラビ王に代わって御礼申し上げる。

令和三年神無月二十日 訳者 識

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