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償ひの道、あるいはハンムラビの法典 Codex Hammurabi  作者: ハンムラヒ王/Leonard William King(英訳)/萩原 學(邦訳)
主の掟、あるいは償ひの道 The Code of Laws
102/111

268 - 270. 脱穀用家畜の借り賃 271 - 272. 牛・牛車及び牛追いの借り賃

脱穀に牛馬とは、どのように使ったのか不思議だった。脱穀橇を使ったらしいと、『科研費新学術領域研究

都市文明の本質:

古代西アジアにおける都市の発生と変容の学際研究』所収の有村誠『地中海世界の脱穀橇』を読んで初めて解った。一読をお勧めする。

添えられた写真を見ると、脱穀橇とはスノーボードの草スキー版みたいな板を牛馬2頭に牽かせ、これに人が乗って操縦するもので。収穫束を敷いたところに、この橇を走らせて脱穀する訳だが、よほど操縦が巧くないと無様に転びそうな代物。練習したのだろうな。

268. 何人も、脱穀に牛を借りるに於ては、借り賃穀物にして20kaとす。

If any one hire an ox for threshing, the amount of the hire is twenty ka of corn.


269. 脱穀に驢馬(ろば)を借りるにも、借り賃穀物20kaとす。

If he hire an ass for threshing, the hire is twenty ka of corn.

269. 脱穀に驢馬を借りるに於ては、穀物10 KAを借り賃とす。

If he hire an ass to thresh, 10 KA of grain is its hire.(Harper translation)


270. 脱穀に若年の動物借りるに於ては、借り賃穀物10kaとす。

If he hire a young animal for threshing, the hire is ten ka of corn.

270. 脱穀に若年の動物(山羊(やぎ))借りるに於ては、穀物1 KAを借り賃とす。

If he hire a young animal (goat) to thresh, 1 KA of grain is its hire.(Harper translation)


271. 何人も、牛と牛車借り、及び牛追ひ雇ふに於ては、穀物にして1日あたり180ka酬ゆべし。

If any one hire oxen, cart and driver, he shall pay one hundred and eighty ka of corn per day.


272. 何人も、牛車のみ借るに於ては、穀物にして1日あたり40ka酬ゆべし。

If any one hire a cart alone, he shall pay forty ka of corn per day.

268. ka:佐藤先生に拠ると、シュメールの容量単位シラ sila をアッカド語でカ qu(m) と読んだもので、20シラは概ね17リットルに当たるらしい。なお 60 sila = 1 gur であるが、10 sila = 1sutu(m)スートという単位もあって、必ずしも60進では無かった。

269.270.ハーパー版が正しく、キング版は桁を読み間違えたもののようだ。10シラは約8.5リットル、1シラは約0.85リットル。

young animal:具体的には何の家畜か判らない。牛でも驢馬でもないなら、ハーパー版にいう山羊か羊か。

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