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彼と彼女の世界のその後

作者: 春野夜風

『彼と彼女の世界』の続編ですので、まずはそちらを読み終わってから読んでください。

彼と彼女の世界originの2話と全く同じ内容です。ご了承ください。


書いてるうちにどんどん壮大な物語になっていき、予定の2倍ほどの長さになってしまいました。(笑)

構成上、相変わらず理解し難い部分があるかと思います。

了承した上でお読みください。


 あの約束から1ヶ月経ちました。しかし、彼はまだ世界に嫌われた存在で、私は世界に見放された存在のままでした。


「なかなか手掛りが得られないね」


 今は彼の家で次の作戦を練っているところです。


「そうですね。アナタの場合は死の概念が見えないから私と出会えたわけですし、私と同じように死の概念を剥奪された人なんて早々いないでしょうし…」


 いてほしくもないですし…。


「こちらから見つけて接触するのはやっぱり難しいのでしょうか」


 大っぴらに広めていいことでもないですし…手詰まりでしょうか。


「仕方ない…先生のところに行くことも考慮に入れていくしかないな」


 あの約束の後、最初に向かったのは彼の先生の元でした。しかし、何の手掛りも掴めず、お互いに手掛りを探してからまた会おうと約束しました。だから、彼の先生のところに行くのは最終手段にしようと言っていたのです。


「アナタの先生はいったい何者なのですか?」


「君だから話すけど、先生は魔法使いなんだって。だから色んな世界を回ってるって言ってた」


 彼が噂に聞く魔法使い? 世界によって生み出され、創造主の予想を大きく超えた異業の持ち主にまで成長したが故に世界の手によって隠蔽された存在…。なら私の話を受け入れたのも納得出来ますけど…。そういえば……え? でも、それだと…


「難しい顔してどうかした?」


「私、気付いたことがあるのですけど、一つ確認してもいいですか?」


「ん? 何だい?」


「アナタは…自分の体が視えますか?」


 もし視えていたなら…


「そういえば視えてるね」


 やっぱりそうでしたか…。


「いいですか? 落ち着いて聞いて下さい。もしかするとアナタは死の概念を持っていない可能性があります」


「え…?」


 考えうる限りの最悪な状況かもしれませんね…。


「これは一つの仮説ですが、死の概念が見えないアナタが自分自身を視ることが出来るというのはそういうことかもしれません。もう一度言いますが、落ち着いて聞いて下さい。大丈夫ですか?」


「あ、あぁ…」


 やっぱり、ちょっと混乱してますね。話しを急ぎ過ぎたかもしれません。


「アナタは私と同じ軸いたから私に干渉出来たのかもしれません。しかし、それに関して不自然なことが一つあります」


「不自然なこと?」


 それでも食い付いてきますか。やはり私の目に狂いはなかったようです。


「アナタの先生ですよ。アナタが死の概念を持っていないなら、彼が世界に嫌われた異端でない限り、アナタや私に干渉出来る筈がないのです」


「……僕が世界に見放された者だって言うのか? それに、先生が何か隠しているとでもいうのか?」


 全てを知るまで、ただの可能性なんかに潰されてはいけませんよ。アナタなら出来る筈です。


「アナタがそうであるとは限りません。アナタの眼なのだから、自分自身は視えて当然なのかもしれません。そこははっきりしないのですが、彼が何かを握っているのは確かです。彼は私を認識していました。アナタがどうであろうと彼は認識出来ない筈の私を認識していたのです。彼は魔法使いなどではありません。彼は世界に嫌われた異端です」


「で…でも、先生は魔法使いだから君が認識出来るのかもしれないだろ?」


 悲しいことですが、信頼や信仰は時に自身を貫く刃に変わるのです。


「世界にとって、存在という概念は最も重要なもの。世界の内の人間でしかない魔法使いが、世界が定めたルールに干渉できる筈がないのです」


 それが可能なのは神だけ。


「それにアナタは今までたくさん人に助けられて生きて来たと言っていました。アナタの性格を見てもそうです。世界に嫌われた異端ならそんな穏やかで強い心でいられる筈がないのです。私はこの体になってから色々な異端に関わってきました。皆さんは全員、誰もが心を擦り減らして消滅していきました。異端は世界の意思によって排除される。そういうシステムなのです。しかし、アナタはそんなことは全然ありません。つまり、アナタは世界に嫌われた異端なんかではありえません」


 しかし、その前提条件を覆すとなると…


「じゃあ、僕はいったい…何者なんだ? 僕のこの眼は何だ…?」


 必ずそこに当たってしまいます。


「それを今から確かめに行きましょう。アナタはそれを知らなければならない筈です」



 ───



「こんな形でここに来るとは思ってもみなかったな」


 彼らがいるのは先生の家の前。


「ここからはそれ相応の覚悟が必要になります。しかし、アナタなら大丈夫だと信じています」


「大丈夫さ。僕は君を元の存在に戻してみせるって約束したからね」


 彼らが決意を固めた直後、ドアの向こうから先生が姿を現す。


「やぁ、久しぶりだね。何か分かったことはあったかい? …何かただならぬ雰囲気だね。どうかしたのかい?」


「先生は…いったい何者何ですか?」


 これで正直に答えてもらえるとは思っていません。しかし、私たちには知る権利があるはずです。


「私は魔法使い。世界によって生み出され、創造主の予想を大きく超えた異業を持ったが故に世界の手によって隠蔽された存在。昔も同じことを答えた筈だけど? 言ってなかった?」


「では、ここにいる彼女が視えていますか?」


 魔法使いなら私が視える筈がないのです。


「見えてるけど、それがどうかしたのかい?」


 そこで彼女が一歩前に出る。


「失礼ですが、私は世界にそう定義された存在にしか認識出来ない筈です。彼のように特殊な能力を持つ存在でない限りは。もう一度聞きます。アナタは何者ですか? それに上乗せして、彼の眼についても教えてもらいます」


「君はとても頭が良いね。だけど、頭が良すぎても損をするだけだ」


 先生は彼女に銃口を向けた。しかし、彼女は涼しげな顔のまま。


「伊達に永く生きていませんので。さぁ、答えて下さい。アナタが何者で、彼の眼は何なのか」


「いいよ。そこまでたどり着いたなら教えてあげるよ。私は世界に見放された存在さ」


 やっぱりそうでしたか…。私と同じ存在だから私にも彼にも干渉出来たわけですか。


「そして彼は、私が創り出した最高傑作、世界が干渉出来ない存在。しかし、完成はしたものの、流石に完全に世界を騙すことは出来ないようで、死の概念が見えないという細やかな抵抗をされたがね」


 そんなバカな…。ただの人間が世界の掟を犯す存在を創造したというのですか…? そんなことが出来るはずが…


「…僕が先生に創りだされた?」


 先生の言葉に彼は凍りつく。


「そうだよ。君は私が創り出したモノさ。出来ないと思うかい? そんなことはないさ。生物を創造するというシステムはこの世界に確実に存在する。それを否定すれば最初の生物が生まれたことに矛盾が生じるからね」


「…本当なのか? …本当にそんなことが可能なのか?」


 覚悟したつもりだったのですが、実際に直面してみると辛いものですね…。


「…理論上では可能です。しかし、本来ならその行為は世界が拒絶する。実行出来ない筈なのです」


 そう…不可能な筈なのです。


「それじゃあ…僕は…いったい…」


「世界には無限の可能性があります。だから今まで人間は文明を発達させることに成功しているのです。私が知らないだけで、確実な方法があってもおかしくはありません…」


「そう。その方法を君は知らなかった。だから失敗した。だから世界から弾き出された」


 え? どうしてそれを…


「どうして知っているのか知りたいという顔だね。私が彼を創り出す際に使用した方法は君が見つけた方法に世界に対する盾を付加したものなのさ。何の因果か、見つけてしまったのだよ。君の研究資料を」


「私の不完全だった方法を完成させたと言うのですか…?」


 あれは厳重に封印した筈…。いや、時が経過すればそんなものは関係なくなりますね…。


「どういうことなんだ? 君が世界に見放された理由って…」


「そうさ。ここにいる彼女は私のように存在を創造しようとしたのさ。挙げ句に失敗し、世界から弾かれた」


 これも私がしたことの酬いなのでしょうか。


「本当…なのか?」


「……本当です。私が世界の正しい軸に乗っていた頃、私は神のような研究を思いついてしまったのです。しかし、そこには大きな穴がありました。存在を創造するのは世界の意思にのみ許される諸行。世界の危険分子と判断された私は世界から弾き出されました…。当時の私は愚かな研究者でしかなかったのです」


 しかし、完成するまで世界が放置しておかない筈です。いや、しかし、存在をステルス出来るなら…それでも完成してから世界に弾かれるのもおかしい。彼の虚言なのか…情報が足りていないだけなのか…。1つの可能性はありますけど…そんなことする理由が…。こんなときでも冷静に分析出来るなんて…永い時が私の心を狂わせたのでしょうか。それとも、元研究者としての血がそうさせるのでしょうか。


「アナタは何故、世界に弾き出されたのですか?」


「私は世界に弾き出されたわけではないさ。自ら平行世界に移ったのだよ」


 あり得ないと思っていましたが…まさか当たっていたとは。


「何故そんなことをしたのか聞きたそうな顔をしているね。簡単な話しさ。私は世界の軸を確認したかったのさ。そして、死の概念が見えないというのは本当なのか知りたかった。ただそれだけだよ」


 そんなことのために…世界の掟に触れたというのですか…?


「しかし、本来なら君を創り出すのは彼女だったのさ。その彼女と共に私の元に真実を求めに来るのだから。運命や因果というものは面白いものだね。さぁどうする? 君が信じたものが君をそんな身体にした張本人だったぞ?」


 私が言えることではないですが、この人は狂ってる。当時の私が求めたものはこんなものだったのでしょうか?


「……僕は…」


 彼を苦しめていた原因が私だったなんて…。皮肉なものです。


「僕は人間じゃないのか…?」


「いや、君は人間だよ。私がそう創造したからね」


 自慢気に平然と言ってのけるとは…この方には倫理というものがないのでしょうか。


「でも! 人間は創造されるものじゃないはずだ! まるでロボットじゃないか!」


 彼の言葉の数だけ彼女の心に刃を立てる。


「いいのかい? 自分の存在を否定しても。君はもう頼れるものがないぞ?」


 自分が信じた先生は自分をこんな存在を創造し、信じた仲間は自分が創造された原因だった。


「彼女も私も死の概念を持っていない。つまり殺すことは出来ないぞ?」


「君は…どうして僕を創ろうと考えたんだ…?」


 …どうしてこんな状況で私のことを考えることが出来るのですか?


「…私がどんな思いで研究をしていたとしても、言い訳にしかなりません。今アナタを苦しめている事実は変わりません」


「それでも…君は先生とは違う気がするんだよ。温かい何かがあったんじゃないかって思えるんだ」


 アナタは何処まで優しいのですか…。その優しさが自分を苦しめているというのに…。


「…私は家族を創ろうと思ったのですよ。正確に言えば、事故などで失われてしまった命を世界の記憶から呼び戻す。そんなことが可能なら悲しい思いをする人がいなくなると思ったのです。よく考えてみたら、それは人の命を軽視し、命の尊さを失わせる行為でした。しかし、それに気付いたのは世界から弾き出された後でした…」


 まったく…我ながら滑稽な話です。失う悲しみを失えば人間に未来はないのですから。


「やっぱり君は優しいな。僕には出来そうもないことで誰かを救おうと考えている」


「死んでしまったから呼び戻す。それは壊れてしまったから買い換えると言っているのと同じです。そんなもので誰かを救える筈がありません!」


 どうして笑っていられるのですか? 自分が一番傷ついて、不安定な存在になり果てたというのに…どうしてアナタはそんなに優しくなれるのですか…?


「ものは言い様さ。君が考えた方法なら確かに絶望した誰かを救える。それは確実だ」


「アナタは…凄いですね…絶望に落ちた筈なのに…私にはとても真似できません…」


「約束しただろ? 君を元に戻してみせるって。だから、僕は約束を果たさなければいけない」


 たったそれだけのことで…? アナタがそんななのに私がしっかりしないわけにはいきませんね。


「私は元の軸に戻ろうとは思っていません。これは自分が犯した罪の清算ですから。私はアナタの魅力に惹かれ、アナタの眼を戻してあげたいと思ったのです。今までなら情報が少な過ぎて不可能でした。しかし、真実を知った今なら出来る」


 私の研究がベースになっているなら出来る筈だ。私が作ってしまった過ちなら、私が全ての責任をとる。


「ふむ、私は君を人間として創造した筈なのだが、君の強さは人間のそれを越えている。研究する価値がありそうだ」


 今まで傍観を決め込んでいた先生が口を挟む。


「私は彼を元の生活に戻すと決めました。邪魔はさせません。アナタは下がっててください」


 先生は銃を持っている。死の概念を持っていない彼女なら死ぬことはないが、彼は違う。


「でも、それじゃあ君が!」


「大丈夫です。私も今まで何もしていなかったわけではありません。私はアナタを守る。そして、元の生活に戻してあげます」


 彼女の決意を前にしては彼は下がるしかなかった。


「邪魔をするなら容赦はしない」


 死なないとしても痛みは感じ、骨は折れるし、臓器は壊れる。それは普通の人間と変わらない。


「先生、言った筈ですよ? 私は伊達に永く生きていないと」


 彼女の雰囲気が一変する。


「私が自分の過ちに気付いた時、私は考えました。私と同じことを考えた者が出た場合、それを防ぐ方法は無いものかと。そして、永い研究の果てに完成させました。使うことがなければよかったのに…」


「面白い。見せてもらおうじゃないか」


 同じ研究者として興味があるのか、そんなこと出来るわけがないと高をくくっているのか、先生は銃を下ろす。


「アクセス。情報を改変します」


 彼女らを包む空気が変わる。


「な! 何をした!」


「この世界の中に私とアナタしか干渉出来ないように私たちがいる軸をベースに、世界を創造しました。私は元々、この世界に存在する個人の情報を呼び戻し、世界に反映させるということを目指しました。その成果がこれです。世界を構築するのはそこにある存在が持っている概念。空を飛ぶことなど不可能だと概念を固めてしまえば、不可能になり、飛べる筈だと概念を持てば飛行機のように飛べる。個人の情報はその個人に関わった人が持っています。つまり、世界の情報はその世界に関わった全ての存在が持っています。たった一人を解析し、繋がった者を解析すれば、それは世界を解析したも同義。私は世界の全てを解析し、データ化することで全てを掌握しました」


 彼女の身体からは汗が吹き出し、息は上がり、視界はぐらつき、足元はおぼつかない。世界を背負うのは個人には負荷が大き過ぎる。それでも立っていられるのは彼女の研究の成果だ。


「世界を掌握だと…そんなことが出来る筈が…」


「出来ると信じれば不可能はありません」


 限界は人が勝手に決めたものだから。本当は限界なんてないのに。


「先生、アナタは私が生み出してしまった神の諸行に触れてしまった。悪魔の囁きに耳を傾けてしまった。アナタは知らないでしょうが、彼の存在は世界に小さな歪みを与えている。罪は償っていただきます」


 彼女の身体から血が吹き出す。身体が悲鳴を上げている。それでも彼女は怯まない。


「予想以上に負荷が大きいですね…。時間がないようです。もう終わりにしまし

ょう」


「私の情報に到達するのにどれだけの時間がかかるのかな? それまで君の身体が持つのか?」


 彼女が言ったように一人をたどって全てを構築する世界にアクセスするのなら先生の元にたどり着くまでには相当のタイムラグがあるはずだ。


「私がこれを発動させた時、彼をベースに世界にアクセスしました。アナタに唯一干渉出来た彼からなら即座にアナタの情報にたどり着きます」


 少し考えればわかることだ。彼女が干渉出来るのは彼か先生のみなのだから。


「この世界を放棄します」


 彼女の一言と共に先生は消滅してしまった。この世界を構築しているのはそこに存在した彼女と先生だけなのだから。

 同時に、彼女が創造した世界が崩壊を始める。彼女が創造した世界は彼女たちがいた世界の軸をベースに創りだしたもの。つまり、世界が崩壊すれば彼女は存在出来ない。しかし、死の概念を持たないために、ただの概念として時空をさ迷うこととなる。


「間に合った…。彼の眼の情報を書き換えます」


 彼の情報をベースに彼の母親の情報から眼が正常だった頃のデータを参考にし、彼の情報に反映させる。


「これで全て終わりました。お元気で──」


 彼女と彼女の世界は、消滅した。



 ───



 優しく頭を撫でる感触がする。

 優しい声が聞こえる。

 彼の声。

 私は概念として時空をさ迷う筈では…。


「早く起きなよ。こんなとこで寝てると風邪引くよ?」


 彼女は目を開けた。


「おはよう」


 そこにはいる筈のない彼が、あるはずのない世界があった。


「…どうして?」


 私がここにいるはずが…


「君がいなくなった途端に頭の中に君の声が響いていたんだ」


 そうか、私が彼を起点として世界にアクセスしたから…。


「僕は君と約束した。君を元に戻すと。だから、考えた。どうすれば君を救えるか。そしたら君の言葉がヒントをくれた」


「ヒント?」


「僕をベースにして世界にアクセスしているなら、僕も世界に干渉出来る筈だと考えたんだ」


 だから私の計算よりも負荷が大きかったのですね…。彼をベースにしていても処理を行うのは私。2つのことを同時に行なっていたことになるのですし。



「よく思いつきましたね」


 おかげで予想以上に辛かったですよ。まぁ、今こうしていられるのだから結果オーライとしますか。


「1ヶ月も君といたから難しい考えがうつったのかもね」


 やっぱりアナタは凄いですね。


「今更なのですけど、眼はどうですか?」


「勿論、よく見えるよ。鳥が飛んでいたり、猫が眠っていたり、こんな景色を見るのは久しぶりだよ。君に感謝しないとね」


「元はと言えば私の引き起こしたことですけどね…。それで私が認識出来るということは、約束を果たしてくれたのですね」


 私はずっとあのままだと思っていたのに…。


「じゃあ夜になると寒いし、そろそろ帰ろうか」


「私みたいな者がこんなハッピーエンドでいいのでしょうか…?」


 私には彼のように温かい人に触れている資格はないのではないでしょうか。


「じゃあ、新しい約束をしないか?」


 彼は唐突にそんなことを言います。


「新しい約束ですか?」


「あぁ。僕は、僕らみたいな存在が生まれないように何かしたいと思ってるんだ。けど、僕一人では何が出来るのかわからないから」


 彼は私に手を差し出します。


「僕と一緒に考えてくれないか?」


 …アナタは眩し過ぎるほどに素敵な人ですね。


「喜んで」


 私は彼の手を取りました。




おしまい

いかがでしたか?

その後の方が凄まじいことになってしまいました。

書いてる途中でああでもないこうでもないと悩み、ここがこうだとあっちがおかしくなると修正し、とても難しい作品でした…。

しかし、とても楽しかったです。(笑)


覗いてみたらユニークアクセス数が300でした。

なんか嬉しいですね。

皆さんありがとうございます。


なお、連載小説として『彼と彼女の世界origin』が掲載中です。

内容は全く同じなので、1ヶ月ほどで短編の方は削除いたします。今後はそちらでお楽しみください。


評価・感想いただけると感謝の極みです。

m(_ _)m

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