学校
「おはよーー!」
虚しく挨拶をする、まだ二,三人しか来ていない。男子校の日常だ。
20分後...30分後とぞろぞろ登校して来る...時刻は8:29だ。
キーンコーンカーンコーン
終業のチャイムが鳴り、一斉に下校し始めた
さてと、帰りの電車はどうだろうか
校門を曲がり、また曲がる。横断歩道を渡り、また曲がる。民家のT字路がある真っ直ぐに行って右斜めに進む、また真っ直ぐが続き、また曲がり真っ直ぐに進む。詰まらない程誰にも会わない。進み切った所の階段を降りると駅に着く
さて楽しみだ。
十分程経つだろうか家に向かう電車が到着した。女子に会えなかったあの六時間を打ち消す様にそれは開幕した。
「差経市~差経市~お降りのお客様は足元を気を付けて降車して下さい。」
着いたと同時にそのアナウンスは流れた。学校のある差経市から僕が住んでいる谷部市まで乗って行くのだ。早速、辺りを見渡す。
「チッ......」気付かれない様に舌打ちをし心に秘める。そう、紅一点なのだ。
神様に見離された瞬間だった...それでも時間は無情にも過ぎ経て行く。
「次は~紺碧市~紺碧市です」電車窓から見える景色はまるで血の池のようだった。
「紺碧市~紺碧市~お忘れ物の無い様、お気を付け下さい。」
残りは付可、栢部六丁目、水辺、木馬、言偏、斗座敷、日夜于、そして谷部市の八つだ。 あれから約15分程経って漸く女子も増えてきた「次は~言偏~言偏です」 女子高生は居ても、JKは居ない...
「次は~谷部市~谷部市~、この電車は次の谷部市止まりです」 もう谷部市か...ガタンゴトンと鳴らす電車は今の僕を嘲笑うかの様に揺れる。
「谷部市~谷部市~終点です。この電車はこの駅止まりです、回送電車に変わります。」と急かすかの様に、そして誰かを起こすかの様に大声でアナウンスが入った。
それのお陰で僕は目が覚めた。
家に帰っても特に何もする事がなく、スマホを弄って床に就く。そしてまた明日と言う1日が始まるのである。JKに会える事無くそれは繰り返してゆく…メリーゴーランドの様にゆっくりと。