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走る方舟の憑依玩霊達(ファントムズ)  作者: 丸ーニィ
第二章二部 高高度激闘! 天国教団編
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九十五話「甦る記憶と空気を読まないクマ」

投稿頻度を上げてみました。

ちょっと暇になったので。

 

 ......


 思い出される記憶。


 男の手に引かれて、夜の獣道を一心不乱で進む。


 ワゴン車の中で見てしまった仲間の死体、入滅することに躊躇してしまった自分の情けなさ。


 二依子を騙していた罪悪感で一杯の自分が、何かに目覚めて逃げ出したという現実。


「二人で逃げよう......スズハ! 」


 そう言った彼と歩み、遂に民家の光が見える場所まで来た......


 だが。


 舟の霊体に見つかり、放たれた光を浴びて、彼女は意識を失う......


 儚い逃亡の記憶。


 ......


 


「何よこれ......こんなこと私がするハズ無いわ! 」


 覚えのない行動の記憶、断片的に思い出す恐怖。

 スズハはフラッシュバックした記憶が、自身の理念や行動から外れた行為をしていることに困惑する。


「でもどうして、キール君(日下部喜一)と逃げ出した覚えが......あるの?! 」


 ライフルをスズハの赤いプラモデルのボディに、突き付けた教団亡霊パープルは、首を横に降ってこう言った。


「アドミニストレータのアイツはね......君達二人に強い暗示をかけて、逃げ出した記憶を一時的に忘れさせたよ」


「だけどそのせいで、キールは情緒不安定な亡霊になって、君はちょっとヒステリックな亡霊になった......それはもう俺達は扱いに困ってた」


 後ろの航空型ボディのプラモデル、ポリマーが続いて言う。


「でも霊体の意識を保つにはしょうがない......不安定な精神状態まま憑依してもらわないといけない。」


 パープルは自身のボディである紫のプラモデルに、航空型であるポリマーのボディをジョイントを繋げて言い放つ。


「そのまま、君達に最後まで仲間の"ふり"をしてもらってたんだ、舟の霊体の洗脳能力を使ってね」


 パープルが告げた真実にスズハは愕然としながら、口をパクパクさせて困惑する。


「キールの処理はもう終わってると思う......だから次は君の番だ、秋山......」


 突き付けたライフルに霊力を込めて、パープルは最後にこう言った。


 

「仕方ないだろ"天国"に生者は連れて行けないからな」


 

 パープルのライフルに霊力が走る!


 内部の針弾が入っているであろう、それが勢いを持って飛び出そうとしている瞬間!


 

 (ザジ)は動いた!


 

「させるかあああ!」


 例え亡霊であっても、この状況に対応することは難しい。


 脳から命令を伝達されて腕や脚が動く様に、霊体がボディを動かすにはタイムラグが存在する。

 だがそれはボディを通して行動すれば間に合わない訳で......


「 ! 」


 ボディを通さない手段を取ることが。

 ザジ達には僅かに可能なのである。


「なっ......!」


 スズハに向けて、ザジが伸ばしたのはボディの腕ではなく、霊体そのものの腕だ!


 主に移動手段として使え、「引っ掛けて引き寄せる」程度の小さいポルターガイストが行える亡霊の小技だ。


「何! 」


 スズハが引き寄せられライフルの射線からずらされると......


「うりゃああああ! 」


 ユナのクマボディが飛び込んできて教団亡霊のパープルを攻撃。

 パープルのプラモデルボディにかすり傷を与えて、突き放した。


「ちょっと! 誰が助けてって言ったのよ! 」


 スズハは困惑しながらも救出される。


「俺には見過ごせない、敵であっても生者だしな」


 ザジがスズハに語りかける。


「そのボディ......一度壊して悪かった、本当に済まない。これだけは言いたかったんだ」


「......」


 スズハが困惑していた顔から、急にそっぽを向いてむくれた顔になってフンっと、ザジに顔を隠して言う。


「しょうがないわ、今は許してやるわ。」


 その様子にザジは礼を言う。


「ありがとう」


 ザジとスズハのやりとりに、ユナは電光のごときツッコミ(ツンデレか! )を見せたい所だが、パープルを相手にしているためそうもいかず、もどかしい。


「さあ、これでこっちのモノよ! 相手をしてやるからかかってきなさい! 」


 だが優位に立ったという現状を誇示するために、ユナはもどかしいながらもパープル達に挑発する。


「ふふふ......」


 謎の微笑みを浮かべるパープル。


「ライフルを突きつけたのは、撃つためだと思ったかい? 」


「実は違うんだな! 」


 この突然のパープルの発言は、ザジやユナ、スズハまでも驚かせる。


「スズハのボディのデータカードには、あらかじめ排除出来るように細工が仕込まれているんだ!」


「ほうら! ボディの背中を見てみろよ! 」


 パープルの発言を聞き、ザジとユナはスズハのボディを見た。


 すると......背中から煙が!


「 ! 」


 内部の回路が焼け始めてるのだ!


「ははは! 終わりだな秋山! 中のデータカードが焼けるぞ! 」


 パープルが邪悪な微笑みで叫ぶ、そしてボディに指を指してこう言った。


「その回路はお前の霊力から、直接電力に変えて燃える様に細工してある」


 そして高らかに腕を広げて、悪どい素振りで笑いながら言う。


「僅かな霊力でも起動するぞ! 助かりたいなら、"ボディから霊力を消す事"だな!」

「それが可能なら軛データも外れて助かるぞ!」


「それが出来るものならなあ! やってみろよ! 」


 そのパープルの言葉に、何故か即座にユナが反応する!


「つまり! 焼ける前にボディを破壊して、カードに霊体から流れる霊力を断ち切ればいいんだよね! 」


「「 え! 」」


 唐突なユナの理解に、その場に居た全員が首をかしげる。


「理解したわ! (よくわかってない)」


 ユナはそう言うと、真っ先に行動に出た。

 クマボディの手から霊糸が放たれ、スズハのプラモデルボディに巻き付くと。

 そのままジャイアントスイングするかの如く、スズハをブンブン振り回し始めた。


「ちょっと! 一体何をする気! 」


 クマのボディからはみ出たユナが、親指をサムズアップして言う。


「ボディから霊力を消す! つまりデータカード焼ける前に"ボディを破壊"して」

「霊体を解き放てば、回路が止まって霊体も体に戻って WIN WIN よ! 」


「ちょちょちょ! 待っ......」


 ユナは困惑するスズハを他所に、スズハのボディをスイングしながら最大霊力で、ブースターを吹かして大ジャンプ!


「いっくよー! 」


「ハイ・スピリット! (ベアー)・ドライバー!! 」


 ここでユナから繰り出される投げ技は、正にレバー二回転(?)は必要な程に豪快で。


「ドタマカチ割れろおおおおお! 」


 ......かつ衝撃力を霊力で増加させ、高速回転しながら暴言を吐きつつアスファルト目掛けて、一気にスズハを叩きつけたのである!


「ぎゃあああああああ! 」


 スズハの情けない叫びが、周囲に木霊した。

 

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― 新着の感想 ―
ユナちゃん、確かに「空気読まないクマ」だけど、今は読まなくて大正解!! かなり強引だけど、強い!カッコいい! 変にしんみりしたりグジグジしてるのが馬鹿らしくなっちゃうような、ユナちゃんが蹴っ飛ばしてく…
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