三十話「知力は3以下にはならない」
気がつけば三十話
霊体戦後の展開も準備中
そしてエレベーターの扉が開く! 誰かが上がってきたのだ!
「アオン! 」
「へ? 」
ユナの視線が集まる、そこに居たのは犬(本当は狼)ロボットトイ。
つまりはフォッカーだ。
背中に大口径ファントムショットを背負いエレベーターから射撃を開始。
的確に埴輪の割れた顔面を狙い打ち、次々と埴輪を破壊していく......だがしかし何か様子が可笑しい。
「ワオン! ウウウ! 」
完全に犬だ。
「ぎゃああああ! フォッカーさんお気を確かに! 」
ユナには犬になっていくフォッカーの姿が脳裏をよぎる!
「待ちたまえ! ユナ君!あれはフォッカーじゃない! あれは......」
「「フォッカー君と融合している犬霊だ! 」」
その言葉にユナは反応する。
「私達の事が心配で、フォッカーさんの本体(犬)の方だけが助けに駆けつけたんですね! 」
酷い言われようである。
「その通りだユナ君! えええと......名前はポチだったかな? タマだったかな......」
すると真顔の柴犬の霊がひょっこり顔を出してこう言った。
「よしこです......」
「犬がシャベッタアアアア! 」
ユナの突っ込みはそして宇宙へ。
そうこうしている間に堕ちた埴輪の湧き潰しが終えてしまったのか、綺麗に片付けてしまった。(破片は散らかってるけど)
「グググググ! 門ガ狭イ! 」
巨大霊体の顔はキャンパーのファントムバリアの穴に詰まってるような状態で、それ以上は穴を広げられず困っているようだ。
「パルド君! ラマー君! 現状確認を! バリアの強度は保てるかね!? 」
「こちらパルド、バリアの霊糸回路固定! 行けるぜカンチョウ! 」
「こちらラマー! 幻惑されてる道路の座標も判明している、引っ張られながらも前進は継続中」
キャンパーは微前速をしながら逃走経路を進行中らしい。
「よし! 次のウェーブを耐え抜くぞ! よしこ君! ステイステイステイ......」
「ウウウウウウ! 」
カンチョウがよしこ(犬霊)に待てを指示する。
「出合エ! 討チ取レ! 古強者ヨ! 」
巨大霊体の顔から、幾つかの兵士埴輪を連れた大きめの馬上埴輪が飛び出してくる!
今までの埴輪と違い半分顔が(!) 壊れたタイプで、側近や将軍のようなオーラを纏っていた。
「ボス埴輪ですかね? あれは......(アイアンクロウ効きそう)」
ユナは待機中にニードル等を補充すると、再び霊力をアイドリング。
「ゴー! よしこ君ゴー! 」
そして猛犬を放つが如くカンチョウがよしこ(犬霊)を解き放つ。
「決着を付ける時だ! ギゴゴゴゴ(地声)」
車に変形して特攻するドクのテンションも、アイドリングから開放されとても暴力的だ。
揃いも揃って今まで無かった埴輪の顔面に注目が集まる。
ボス埴輪は向かってくる顔面破壊三銃士(犬、熊、車)に微妙に後ずさる!
その彼が後ずさる後ろには、小さなビルの模型が並ぶ。
このビルは外見はダミーだが、屋根での戦闘を想定して下層から砲台や武器やらを持ち上げる昇降機が隠されており…
中央のエレベーター以外での上階へ上る手段として用いられることも出来る隠し通路だ。
つまりは対亡霊戦闘でキャンパーの屋根では、クルー達の方に部があり。
背後から挟撃出来る環境が整っていると言うことである。
そう、そして......
今この入り口が静かに駆動音を鳴らしており、中から人形の影が姿を見せ始める。
そしてその影は飛び上がった!
「! 」
ボス埴輪はその突然の奇襲に対応出来ない! その無防備な顔面に強烈な一撃が見舞われる!
「「チェストォーーー! 」」
「「ハイ! ファントム! 」」
「「飛び膝蹴りぃいいいいいい!! 」」
砕け散る埴輪の顔面!
ボス埴輪は強烈な一撃で埴輪落馬し、雑魚埴輪の群れにライヴのロックンローラーの如くダイブした。
「ああ......よかった......無事だった」
ユナが感動の涙を流す。
「帰ってきたで! ウチが来たからにはもうこんな奴らに好き勝手させへんわ! 」
「この、ねぱたお姉ちゃんに任せとき! 」
ヒーローは遅れて帰って来る!
それはただ復帰したと言う訳ではなく「今ここの最良の手番で」帰ってきたのである。
「さっきは遅れを取ったけどなあ! 次はフィニッシュ決めたる! 絶対や! 」
ねぱたのフィニッシュ予告が決まる、巨大霊体の顔は目を丸くしている。
「増援ダト? ......否! 潰シタ筈ノ霊ガ甦リ戦場ニ戻ッタ? コノ箱ノ車......モシヤ......」
巨大霊体はキャンパーの秘密に気が付いた様にも思える。
そしてポーズを決めるねぱたの背後に埴輪が強襲をかけてくる!
だが別の昇降口が開いて、中から小綺麗なクリアパーツであしらわれたプラモデルが現れると。
強襲してきた埴輪をファントムスラッシュで叩き斬る!
「姉さんの新しいフィギアはアーマー一体型だから、動きやすいけど以前より脆いよ、気を付けて! 」
″作品″のプラモデルで現れたのはザジだ、装備の二刀流武器が霊力で輝く。
「解っとるわ! ちゃんと尻尾切りするちゅうねん......ってそのボディあの娘の作品やん!? 」
ザジはしょうがないって身振りで、ねぱたにジェスチャーする。
「これが一番強いみたいだからね、今ここで使うよ」
カンチョウが″作品″のボディを見て語る。
「あのボディは″彼女の作品″としての念が混もっているわけだからね、オリジナルボディクラスの霊力が出せる特注品だ」
ユナはその″彼女″と言うのが気になった!
「なんと言うことなの! こんな時に新たなるヒロインの気配! くっ! ″フラグの波動″を感じる! 」
忘れがちだけど、お前もヒロインな。
「そんなことよりねぱたさん…」
ユナの視線に気が付いたねぱたが言葉を返す。
「ユナちゃん、心配かけたなあ戻ってきたで! 」
「本当に心配だったんですよ! 」
その会話にカンチョウも参戦する。
「そうか......そうだったのか......」
「なんやみんなしてウチがそんなに心配かけたか? 」
ザジもその会話に気が付く。
「あっ......(察し)」
口を揃えて皆が言う、その疑問の答えを......
「ねぱたさん......知力のマイナス......カンストしてたんですね......(涙)」
「「五月蝿いわあああああ!! 」」




