二十二話「緊迫のファントムズ」
ボディ捕捉
ザジ、ガールプラモデルから騎士型戦闘ロボットに
ねぱた、特撮フィギア(アーマーチェンジ)
フォッカー、ドローンと動物型ロボットプラモデルの融合した新しい何か
カンチョウ、ブロックトイの人形(お城シリーズ)
パルド、ラジコントレーラー(内部の基盤に取り憑く)
ドク、変形ロボット(お留守番中)
ラマー、超合金ロボットのパイロット人形(現在別動隊)
我らがヒロインのユナ、顔面が半分飛んだホラー熊のヌイグルミ
「ザジ君! ちょっとこっちに来るんだ」
カンチョウがザジをパルドのラジコントラックのコンテナに呼びつけた。
「少し霊力を失うかもしれないがドクから君専用のプラモデルボディが修理を終えて受領している、すぐにボディを変えたまえ! 」
「解った、コンテナにはリスポン時に入れそうな今のこのボディ置いておくよ」
そう言うと箱の中身にザジのガールプラモデルが、しがみつくように重なると、霊体が移ったのかその場で倒れる。
そして器であるボディが交換され、使い慣れたボディであるソレは立ち上がる。
ザジの騎士ロボのプラモデルボディが再び登場だ、装備も以前より増やしたフルパッケージ状態である。
「ねぱた君もアーマーを交換して、バイクも持ってきているぞ」
ねぱたの特撮フィギアのアーマーが折り畳まれ外れると大きめの新たなアーマーに換装する。
そしてねぱたの前にバイクラジコンが運ばれる、何故かあちこちにプロペラが付いている。
「よっしゃ! 特撮ヒーローにはバイクが憑き物やで」
幸い生い茂る野原も何故か綺麗に単芝程度の整地が成された状態であり、バイクラジコンでも苦労なく走れるはずである(プロペラの事は忘れよう)。
「ザジ! 上に乗れ! 」
フォッカーのドローンボディの上にザジが乗るとフォッカーはリポバッテリーを排出、交換を即座にこなし犬モードで走る。
「三人とも気を付けたまえ、ロボットの重火器で対応出来なかった時点で我々の戦力では勝算は無い」
カンチョウの号令が走る。
「解った」
「せやな」
「了解したよ」
フォッカー、ねぱた、ザジが答える。
「ユナちゃんはトレーラーの荷台の上に、カンチョウも下がって......」
パルドが逃げられるように準備すると、早速ロボットの方から行動があった。
場所が変わって、進入禁止区域の山間に大きな電波を送信出来る改造車が止まってあった。
危険地区からやや離れて国道の一部を封鎖、電波送信車輌と幾つかの乗用車から護衛の車輌まで三台の車が並行している。
「攻撃準備整いました。発砲許可をお願いします」
作業着を着た人間が何人かモニターで確認して現状を報告する、白衣を着た老人と同様の姿をした若い男女が座席の後ろでモニターを確認した。
「それではこれより対危険霊体第三次攻撃作戦を行います」
「ラジャー、これより攻撃開始!!! 」
「「発砲! 」」
カバーのあるスイッチが開けて押し込まれると、モニターの向こう側では豪快な一斉射撃が繰り広げられていた。
白衣の女性が別のモニターを監視する女性作業員に語りかける。
「ファントムズのモニターも忘れずにお願いします、彼らとの遭遇はとても貴重ですから」
「ええ、犬のドローンファントムズにナンパされたのは面白かったですから......でもどうして此方が女性だと解ったんでしょうかね(驚愕)」
「あえて文面で気付かれないように送ったはずなのに何故か嗅ぎ分けられたのよね」
フォッカーの謎の嗅覚はファントムジェスチャーの新たな謎を産み出した、正に謎のデパート。
モニターの中では豪快にチェインガンが起動し発砲を始めていた。
ロボット操縦側のモニター越しの攻撃が始まる。
場所は変わり、ザジ達の視点に戻る。
此方でもチェインガンが豪快に撃ち込まれる、モニターと違って音も砂塵も豪快に見える。
「ひえええええ! 」
音に驚くユナ、祠に撃ち込まれる弾丸の嵐は周囲の草木も凪ぎ払うかのごとく激しい。
「容赦ないなあ! 流石にこんなん無理やろ? 悪霊とかボディごと粉々やで! 」
ねぱたがRCバイクで走りながら側面に回る。
「ちょっと(揺れ)こっちから(揺れ)確認するわ(揺れ)、あーもう! 揺れすぎ! めんどくさいわー! 」
するとプロペラが回転して低空飛行する、いかにもユナのなんでやねーん!ってツッコミが入りそうだがバランスが良くないため完全には飛べないためにユナ的にノーカンのようだ。
ホバリングをしながらねぱたのバイクが祠の周囲を回る、側面に回った時にそれはやって来た!
高速で飛ばしてくる攻撃、薄い布状のフイルムの様な細長い布が鞭の様にしなりねぱたに襲い掛かった!
「うわっ! 」
ねぱたのファントムシールドに干渉して弾かれるそれは、霊体の様にも物体の様にも取れる複雑な物だ!
「ちょっとこれ! 霊糸の塊やないの! 」
霊糸とは収束した霊体の発する糸であり、瞬間的に霊体の手で掴む行為とは違って永続的に引っ掻ける行為で使われる彼らの能力であるが。
そこに現れたソレは、もはや物体と変わらないほど顕現した霊糸で編み込まれた細長い布の鞭であるのだ。
そして破壊された祠からその霊糸の放出先である危険霊体のボディがゆっくり姿を見せ始めた。
「なんだ、あれは! 土偶? じゃないのか? 」
ザジが言葉にした通り危険霊体のボディは土で出来た土偶だ、庶光器土偶というべきだろう、そして手には先ほどの霊糸の布が生える様に幾つも伸びている。
例えるなら神楽鈴の柄にある五色の布の様な感覚で手足から伸びているのである。
「危険霊体のボディはあんな土人形なのか! 我々と同様の存在なら一体どのくらいの大先輩なのかね! 」
カンチョウの疑問がそのままなら、国宝レベルのボディの亡霊である。
「おい! おかしいぞ! 銃弾が当たってない! 」
それもそのはず銃撃は今だに続いているのである。
だが効いていない!
「ああ! そうか! そう言うことか! 」
ザジが原因を理解した様で頭を抱えている。
「俺達が物体の硬度をあやふやにしてファントムスラッシュで豆腐の様に硬いものを斬るの同様に」
「あれは向かってくる弾丸の硬度をあやふや所じゃないレベルで下げて防御してるんだ! 」
その場にいるメンバーが愕然としてる!
「だとすれば......距離的におかしくないかね? 音速の弾丸が着弾する前に既に干渉を受けて居ることに......って」
分析しているカンチョウが何かに気が付いた!
「不味いぞ! これはかなり不味い! 」
霊体の強いノーマルボディの亡霊(ザジ、ねぱた、フォッカー)はすでに感じ取っている。
「え! えええ! 」
遅れてユナも気が付いた!
そう
その場は小さな学校の運動場ほどある広い空き地にも関わらず。
霊体の気配は
全域的に感じ取れるのである!




