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走る方舟の憑依玩霊達(ファントムズ)  作者: 丸ーニィ
第一章 はじまりの会合編
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十八話「観測! バトル!! 撤退!? 」

やや遅れました


爆発の地点を観測するフォッカー。

 

 そこはキャンパーの駐車している放置施設からは多少離れている。

 

 だが衝撃が伝わる程度の距離であり、周辺に謎のロボットが潜んでいるのを確認すべく近付く。

 

 「ちっ、スモッグが派手すぎる!煙に巻いて強襲する作戦を立ててたのに此方が煙に巻かれるとか笑えねえ」

 

 フォッカーはドローンを周辺上空高めに飛んで、スモッグが風で流れるのを待ちながら様子を伺う。

 

 しばらくの膠着状態から状況が変動するのはそう時間がかからず、ロボットの方から行動を開始した。

 

 「やっと見つけた! ......なんだ? あれは? 」

 

 ロボットの影らしきモノがようやく観測される、だが煙に紛れて小さなモノが周囲に飛んでいる。

 

 「小さくてよく見えないが虫だな、動きがぎこちないがなんでロボットに群がっているんだ? 」

 

 フォッカーは上空でロボットの位置情報をキャンパーにいるカンチョウに向けて送信、だが虫が気になっていたので警戒を勧める画像データを送付する。

 

 「虫? ロボットの周りに集っているのかね? 何故なんだろうね」

 

 指令室で送付画像データを見たカンチョウだが群がった虫には首をかしげる。

 

 実は昆虫採集のために送られてきましたなんて名目だったら無害でよろしいところだが、現実はそう様子はない様子。

 

 「と思ったら虫はいつのまにか散って居なくなったぞ、なんだったんだ? 」

 

 上空で観測しているフォッカーは不思議に思いながらもゆっくり煙に紛れて降下、ロボットをしっかり観測出来るように映像を送信。

 

 だがそこで違和感を感じる、と言うより視線を感じる、亡霊特有の敏感肌である。

 

 「......はっ? 」

 

 フォッカーの背後にカナブンが飛んでいる、しかもしっかりフォッカーを監視するように追従して来ているのだ。

 

 「なんだ? さっきの虫か? 」

 

 よく見るとカナブンの背中に小さなカメラが…

 

 「なにこれ? 俺もしかして観測されちゃった?! 」

 

 つまりこの虫は所謂サイボーグ昆虫と言うシロモノであり、先程の群がっていた虫はすべて同様のシロモノらしいと言うことだ。

 

 「観測された所でどうな訳? 結局虫なんだしさ、無害だよね」

 

 フォッカーのドローンの一部パーツが変形展開、爪のある前足の様な形になるとそのままサイボーグ昆虫を叩き落とそうと爪を振りかぶる。

 

 「......! 」

 

 だがしかし振りかぶった瞬間にドローンのボディにパーツがちょっと欠ける程の強烈な一撃が見舞われる。

 

 「ああなるほど、そう言うことね! 」

 

 幸いドローンが故障するような一撃ではなく、掠めただけであったがそれだけでも損傷があるのはよほど強烈な一撃だったのだろう。

 

 「発砲音が無い? エアガンか! ......海外製かな? 」

 

 海外のエアソフトガンは日本製のエアソフトガンの約四倍ほど威力である、小動物のハンティングで見られるそうだ。

 

 「ああこりゃ不味いな、カナブンが観測してる限り射たれ放題じゃないか」

 

 フォッカーは低空飛行で逃げ回る、背後にエアソフトガンの弾道が煙を撃ち抜くように通り過ぎる。

 

 「しょうがねえ、走るか! 」

 

 ドローンの一部パーツが変形展開、先程の爪のある前足に続き、後ろ足と尻尾、そして狼を思わせる頭部パーツが競り出してくる。

 

 「上手く逃げ回るぞ相棒、当たったら洒落にならんからな! 」

 

 フォッカーは自身の霊体に犬の霊を取り込んで居るらしく、走る犬の挙動はこの犬霊に任せて手綱を握るように操作しているらしい。


 「ワオン! 」

 

 犬霊が四足パーツを使って走る! ドローンの低空飛行と合わせて地上を高速移動するのだ。

 

 「追いかけてきたか! だろうな」

 

 後ろに先程のカナブンが追従してくる、速度を上げて追い付こうとしている様だ。

 

 「虫だからね、ぶつかったりもせず正確に追従するな」

 

 「だがな! 」

 

 走る先には壁、全速力でフォッカーは走りそのまま壁を勢いよく登ると、壁を蹴り空中で反転。

 

 そしてカナブンの頭上を着けて降りてくる。

 

 「そらよ! ファントムスラッシュだ! 」

 

 前足の爪でカナブンに付いてるカメラパーツごと叩き落す!

 

 「おっと......この場合はファントムクロウって感じだったな」


 観測していたサイボーグカナブンを撃墜すると、再びロボットの観測のためにパーツを収納して上空に上がる。

 

 「おい、みんな聞こえてるな! 虫を見つけたら潰せ! そいつが煙の中でこのロボットの目になって俺らを探してるぞ! 」

 

 フォッカーの霊体の声はギリギリキャンパー周辺に伝わる、ラジオのオープンチャンネルの様である。

 

 「ちょっと! フォッカーがなんか勝手にカッコイイ事してるわ、ムカツクわー! 」

 

 「いーなー! フォッカーのそのサブボディ、フォッカーが最初に取り憑いたオリジナルの模型のボディを参考にドクに作らせた奴だろ? やだ......カッコイイ! 」

 

 ねぱたとザジの反応で応答を確認するフォッカーは、観測から逃れたのをきっかけにロボットの懐に駆け込んだ。

 

 「コイツが煙を直接焚いてるのか? 発煙筒か? 」

 

 フォッカーはロボットの上に取りついて外装を録画しつつ調べる、しかし外装を調べて行けば行くほどその周辺パーツが物騒極まりない事に気が付く。

 

 「うわあ......うわあ...... (ドン引き) 」

 

 声になら無い声を出すフォッカー、モニターの前でカンチョウも白目になっていた。

 

 それもそのはず、観測されたロボットの外装があまりにも重武装過ぎて腰が抜けた気分になってるのである。

 

 「なにコレ? マシンガン? チェインガンだよね? ロケットランチャーもあるよ? この四つの筒状パーツはグレネードランチャーかな? 連射ショットガンも付いてるね」

 

 画像データが荒くて確認しにくかった分、近くで観測されて始めて解る殺意の高さ。

 

 「俺を撃ったエアガンあったわー、カメラの上にちょこんと付いてたわー」

 

 「......エアガンはおまけだろうね、でもコレ何かの動画で見たよこんな軍事ロボット、こんなん空輸して落とすとか日本の領空的にどうなのかね? 」

 

 カメラ越しにカンチョウも首を縦に振ってフォッカーと声を合わせる。

 

 「全員撤収ー! 」

 

 その声は防衛ラインにいるメンバー全員に届く。

 

 「キャンパーで攻撃しに行かなくて本当によかった! やってたら蜂の巣になってたよ! 」

 

 相手がガチと知るや否や雲隠れする、我等が主役達。

 

 君子危うきに近寄らず

 

 蜘蛛の子の如く散り散りに退散するのであった。

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