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走る方舟の憑依玩霊達(ファントムズ)  作者: 丸ーニィ
第二章二部 高高度激闘! 天国教団編
119/203

百十九話「それは知ってはいけない事だ」

遅れてすみません

 

 久遠坂シラ、彼はPCによるネット全盛期のSEだった。

 そして時代と共に技術も代わり、スマホアプリの時代に挟まれ一時職を失い。

 再び勉強して職に復帰した頃には、過度の勉学による過労により倒れ。

 一命をとりとめるも、心臓疾患を患ってしまった。


 そんな彼が身体を失う直前で、個人公開したのが"憑依アプリ"だ。


 失職中にネット上に現れた現在相対する存在、「アンキャナー」と交信した際に......


「解き明かせれば、天国に至る道を教えよう」


 そう投げ掛けられた暗号のようなプログラムを受け取り、解析した結果、アプリの完成に至った。


 アンキャナーは人類の正当な進化を定義する。

 もし未来に記憶や性格をデータ化に成功したとして不老不死を得たとしても、それは「AI」であり本人ではない。


 完全な本人が霊体から意思ある形で独立する。

 そうして初めて進化すると言う。

 そう言った言動が、まるでジョン・タイター彷彿させ。

 狂信的に信仰する者が集まる。

 シラと同じくして寿命幾ばくもない劇団員の「パープル」を筆頭に、七人の仲間が集まる。


 アンキャナーはしばらく交信を閉ざしていたが、再びネット上に現れた時は、亡霊の寿命幾ばくもないシラ達の存在にとても良い理解を示す。


「君達に天国への道を示す、工程を確認して欲しい」


 彼らには合成されたばかりの鳥の巨大霊体と、霊力の強い人間のリスト、アンテナの図面が与えられ。


 ......そして現在に至る。


「アンキャナー、私だけがここに来てしまったのか? 」


 アンキャナーがぼやけた顔で答える。


 (今ここに居るのは君だけだ......シラ)


 この言葉はシラを悲しませたが、以外にもその様子から立ち直る。


「私の目的は絶たれた、今すぐにでも皆と同じく消えたい......たった一人でここに来る意味など無い」


 その意思には"消える決意"が込められていた。

 その様子を見るや、アンキャナーは提案する。


 (君は皆の仇を討ちたいかね? 私なら叶えられるかも知れないが......)


 アンキャナーの誘いはとても甘美に聞こえるが、シラは以外にも首を横に降った。


「私は彼等との勝負に敗北した、ザジ君に至っては過去を含め二度目だ......」

「あれほど社会の水面に石を投げる様な事をして、今更舞い戻り彼等を打倒するなど......皆の意思から程遠い」


「仇討ちなど出来ない......今の私の願いはただ一つだ、アンキャナー......」


 (ほう......何かね? )


 

「消え去る前に天国を見てみたい」


 

 シラの言葉は真剣だ、霊体だからこそ解る決意の固さ、そして彼は「冥土の土産」を求めている。


 (......)


 (......なるほど)


 (なら二つの選択を与えよう)


「 ? 」


 シラの願いはアンキャナーからの提案で返された、ここで何かを選ばせると言う。


「二つ? 一体それはどういう意味なんだアンキャナー......」


 (先程も言ったように、この世界は霊力世界で補われている)

 (君達が言う天国が、君達"霊体の帰る場所"と言う意味での天国か)


 (我々が目指す"世界の覚醒"と言う天国......「高次元世界」か)


 

 (どちらか選ぶと良い)


「...... ! 」


 シラは困惑した、アンキャナーは目的を明確に現せる。

 後者の選択は興味があったが......

 危険な匂いを感じさせたのである。


 それには理由がある、何故ならシラは、あの時......つまりアンテナがユナを挟んで、扉に触れたあの時に......


 ユナの札から発せられた光を浴び、あの"崩壊した世界の未来"を見せられていたのである!


「アンキャナー、貴方はもしかしたら"未来"から来たのでは無いか? ......」


 シラは選択に対し質問を投げ掛ける、確信に近付きたい様だが......


「その覚醒すると言う世界は、滅亡の可能性を意味するのではないか?」


 (何故その様なことを? )


 水面に石を投げると波紋が広がるが、結果何も変わらない。

 だが、このシラの反論は大きな石を投げ、波紋所か大きな波を起こして水面を豹変させたかのように......

 アンキャナーははっきりしなかった霊体の顔を浮かべて見せて、シラの言葉に反応する。


 (覚醒社会と言うのは単純に......)


 (人間に霊力の"使用権限"を戻そうとする試みだ、霊力により科学の分野や医療を始めとした技術の進歩が進み、結果として辿り着く不死解明により霊力世界は意味が無くなる! )


 やや饒舌になったアンキャナーは、シラに強く主張する。


「霊力世界の崩壊が望みだったのでしたねアンキャナー、霊力世界が無くなると地上はどうなる? 」


 (楽園になると言えば解りやすい、寿命も伸びるだろうし)

 (仮に死しても霊体を抽出すれば済む事だ、別に身体を用意すればいい)

 (道具が無くても火を起こせる様な人間が溢れているのだ、完全にエネルギー問題も解決する)


 アンキャナーの演説めいた呟きは、ややオーバーに感じ取れるがシラには解らなくともない。

 だが......シラは言う。


「一時的にはそうかも知れない......が」


 ユナの札の光を浴びたシラは、あの崩壊世界の詳細に触れようとしていた。


「あの見せられた未来の記憶は、完全にその世界の楽園の末路でしかない......」


 アンキャナーは首をかしげて、シラに問う。


 (何故この様なことを言い出すのか?)

 (君は何の情報を得たのかね? )


 シラの様子を不思議に思うアンキャナーだったが......

 彼の霊体に何か小さな「付着物」が有るのを確認する!


 (なんだ......これは!! )


 アンキャナーが取り乱す様に目を見開き、シラの霊体の付着物を凝視する。


 (霊体に付着する霊糸クズ? ......いやこれは! )


 シラも突然のアンキャナーの豹変に驚愕した。

 シラも同様に付着物に気が付き、確認する。


「これが......! あのぬいぐるみの少女の、札の記憶を放った光の正体か!? 」


 シラの霊体に付いた付着物、小さな霊糸の塊にも見える。


 (これは驚いた......トンだメッセンジャーも居たものだ! )

 (極小な霊糸の塊、だがこれは......霊糸回路だ! )

 (いや......最早これは霊糸ナノマシンと言って良い位の異次元の産物......!)

 (ふははははは! どこの誰だ! こんなふざけたモノをばら蒔くなんて......)


 驚愕の顔が霊体から浮かび上がったアンキャナー、そして落ち着いた顔が見え不敵に笑う。


 (駄目じゃないか......ネタバレから先に見ちゃあ......のんびりやってた計画が......なんて事をしてくれるんだ)


 まるで急に「素」が出た様な言葉に、シラが睨む。

 そして遂に思っていた事を言葉にする。


「アンキャナー......貴方は......」


「人類の」


「敵だ......!」

 

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― 新着の感想 ―
しのさん達が求めていた天国は霊体が穏やかに過ごせる場所だった! でもアンキャナーの目指す天国(高次元世界)は人類が人類として存在していない世界、だと思います! アンキャナーの目指す天国を実現させては…
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