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走る方舟の憑依玩霊達(ファントムズ)  作者: 丸ーニィ
第二章二部 高高度激闘! 天国教団編
101/203

百一話「生者の味方」

書き溜めから整形で随分時間がかかりました。

暇が欲しい。


 

 

「ソレがなんやちゅうねん! 」

 

 ねぱたは狼狽えるフォッカーにツッコミを入れるが、フォッカーは動じない。

 フォッカーは続けてシラに聞く。

 

「オカルトマニアが聞いたら喜びそうだが、そこがお前達の言う≪天国≫なのか? 」

 

 シラはフォッカーの質問に答える。


「いいや、そうとは限らないが……」

 

「僕達には天国は霊体や人類の叡知の記憶等を保存している"サーバー"のようなものだと確信している、色んな憶測が飛び交うけど......サテライトはその水先を案内してくれると思われる」

 

 続けてシラは語る。

 

「君たち亡霊が知りたがっている事が、きっとそこ(サテライト)にあるかもしれない」

 「憑依アプリの送信データを発信元である以上、君達の存在も例外ではない筈だよ」

 

 シラの言葉にザジ達は困惑する。

 ザジ達亡霊の長年知りたがっている疑問、ソレは......

 

 

 自分達は何故、「このような姿」で「生き永らえている」のか......

 

 

 なのである。

 

 あくまでも自分達は、"奇跡の産物"だと思い込んでいた、だがシラはその奇跡を"人為的"に作り上げた。

 そして今、その「根源」に向かっている訳である。

 

 ザジやねぱた、よしこやフォッカー、ユナと飛行船ドローンのパルドまでもが、シラの言葉に思わず息を飲んだ。

 

「君たち亡霊が生まれる現象は、ある程度は証明出来るんだ」

 

 シラはここで亡霊に関する、"証明"がある事を話す。

 

 「憑依アプリの使用に使われる電波信号と同じ信号が、人間達が日常的に使用する電波の"共振"により確率的に発生した......」

 

「または人間の体内を流れる電流が、死の直前で激しく流れ、強い電波になって発した結果、憑依アプリの発する電波に近いモノが飛び交い亡霊が生まれた......」

 

「このいずれかである可能性が高い、僕はそう考えているよ」

 

 シラが語る証明に対し、ザジ達も反論の余地があるようで、ねぱたが何やら語り出した。

 

「ウチらの存在はそんな適当な科学で証明されても意味無いわ! "発生うんぬん"より今の霊体の"存在うんぬん"で語り! 」

 

 ねぱたが言うのは、求めている答えが"存在の発生"ではなく、"存在の定義"である事だ。

 

 シラはねぱたの意見に感心を持つ。

 

「つまり......そうなる≪運命≫が有ると、君達は言うんだね......」

 

 ねぱたはシラの反応に違和感を覚え、こう言い返した。

 

「死んだ奴程≪運命≫を考え"呪う"んや、ウチら亡霊は成仏する過程でって......」

 

 ねぱたは言葉の最中に、疑問を感じた。

 自分達とは違うシラ達教団、根本的に違う何かに気が付いた。

 

 「あんたら......もしかして、"自殺者"か? 」

 

 シラはそう言うねぱたの言葉に返す言葉を見いだした。

 

「そう言う君達は、大体は"事故死"の類いなんだね」

 

 ザジ達とシラ達教団の、同じ亡霊ながら水を分かつ理由。

 ソレが「死因」にあったのである。

 

 

 ここでザジは、シラに向かって一つの答えを語る。

 

「死んだら天国に行く事が≪運命≫じゃない、死んだら哀しむ人が居るのが≪運命≫だ、俺達亡霊がこうして存在するのは......」

 

「何時だって、この"残された者達を想う未練"しかない! ソレが原動力だ! 」

 

 ここでシラは理解する、ザジ達が言う≪運命≫の意味。

 

 残された者......

 

 生きている内なら、いくらでも逃避的に「死にたい」等と語れるだろう、だが死んだ後だとそうは行かない。

 

 肉体からの解放により"生への執着"が変質し、その矛先は残された者達に向けられる。

 

「つまり君達亡霊は、その小さな自身の正体を"生者の味方"であると思っていると......なるほど......良いね! 」

 

 シラが語る言葉は理解と、それに反する対立の言葉だ。

 

「二依子君の残される家族や友人の為になら、闘う意味もあると......」

「だが残念ながら相手であるのは僕達"教団"だ、僕達は自らの遂行な≪運命≫が、今手の届く所まで来ている。」

 

 シラは天に手を掲げる、そして言い放つ。

 

「死んだら≪天国≫に行くのが運命だと! ......生きている者への未練など無縁だ、烏滸(おこ)がましい、そう思っている訳だからね! 」

 

 「......! 」

 

 ザジはシラに鋭い眼光を向ける。

 遂に、意見が対立する。

 

 死の先に天国という安住の地を見いだしたシラ達と、途方もない死への後悔を未練としたザジ達。

 

 両者は対立し、そして......最期の闘いのゴングが鳴る。

 

 ここで突然、舟の霊体の甲板のサーバーに変化があったのだ。

 

「シラ! 聞こえるか! こちらイーブン! 」

 

 舟の霊体の船内から聞こえる教団亡霊イーブンの声。

 

「サテライトからの電波をキャッチした! 上空まで迎えに来ているぞ! 」

 

「 ! 」

 

 この放送はシラ達を喜ばせ、同時にザジ達を驚愕させた!

 

「なんとかサテライトが近くに寄ってくるとか不味いで! 時間無いわ! ザジ! 」

 

 この時点で事は一刻を争う。

 

 つまりは......先制攻撃の理由としては十分。

 

「そう言う事だ! 俺達はお前らをここから落とせばいい! 」

 

 そう言うと真っ先に突っ込んでくるのは教団亡霊パープル、以外にも教団側からの先制攻撃である。

 

 ザジ達の戦力を減らそうと、衝撃力を伴った霊力近接攻撃を当てに飛び込んでくる。

 

 だがその行動にいち早く対応する亡霊よしことフォッカー組が立ち塞がる。

 

「ワオオン! (させるか! )」

 

 よしことフォッカーが上手く攻撃をバリアでいなす手際に、教団亡霊達も驚きを見せていた。

 

 

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― 新着の感想 ―
教団だから宗教的な思想があって当然だと思いますが「死」の先に天国を求めているしらさん達。ザジくんたちの未練はあくまで「生」の方を見ているんですね。
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