どうか私を連れ出して
深い深い。
大地よりも海よりも。
光なんて届かないほどの暗い闇の中。
息を吸おうとしても漏れるのは気泡ばかりで息苦しい。
息の仕方さえも忘れてしまったからかもしれない。
辛くて、息も出来なくて・・・。
投げ入れるように自分の身を海の中へと放り出してしまった。
涙も水と交わって消えて。
髪の毛もたゆたう別の生き物のようで。
親しい人が私の名前を呼んだ気がしたけれど、うまく思い出すことなんて出来ないの。
ぼこぼこと耳なりのような音をたてて私は消えてなくなってしまう。まるで私がはいた気泡のよう・・・。
深い深い。光もない暗闇の中。
泡となって消え入る私は、・・・だあれ?
ねぇ、誰か。私を連れ出して。
暗くて深い闇の中から・・・。
ねぇ・・・・。
私の、愛しい人・・・。
何のお話だったか分かりましたでしょうか?
答えは「人魚姫」です。
本当の人魚姫は泡にならずに火にあぶられるのらしいのですか、こちらは泡になる方の人魚姫です。
泡になっても海の底で今でも心は留まって、助けを待っている。というイメージなのですが・・・!
私の中の人魚姫はずっと泣いてる気がします。
でも、きっと助け出してくれる人が現れるのでしょう。せっかくのお話ですから、ね!