表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

処刑直前

熱気に包まれた広場で小柄な男が横にいる女を見上げた。

これまで数々の戦いを繰り広げてきた男は死刑執行の直前でも怯えた様子も見せず真っ直ぐ立っている。

女はそんな彼を見ていてあることを思いついた。

クスリと笑い声を漏らした女に見張りの兵士が警戒の色を強める。

そんな兵士を他所に女はその思いつきを口にした。


「なあ、キース聞いてくれるか。」


男は無言だったが女は話を続けた。


「私達はずっと自由を手に入れるために戦ってきた、そうだろ。けれどもう終わりだ、そろそろ首と胴体が真っ二つになる。」


男は女を見上げたまま動いていなかった。


「確かに私達はもう直に殺されるだろう。でも私達が仲間だったっていう事実もクーデターを起こしたっていう事実も消えない。それにこれは未来の私達の追憶かも知れない、そうだろ?」


男は無言だった。

それにも構わず女は笑みを深め、言葉を継いだ。


「だから目が覚めたら酒でも飲もう、キース。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ