子供の世界も昼ドラ
「せんせー」
朝からキラキラ笑顔でかけてくる翼くん。
今日も可愛い。
「おはようございますの挨拶は?」
「あ!忘れてた♪」
そんな翼くんのことが好きな公子ちゃんは翼くんの腕に自分の腕を絡ませるとキッと睨んで来る。
「公子ちゃんは本当に翼くんのことが大好きなのね」
「そうよ。だからせんせーも邪魔しないでよ」
「あらあら。じゃあ、公子ちゃんは翼くんに大好きになってもらうために素敵な女の子になりましょうね」
いくらツンツンしてても、一応恋する乙女。
好きな男のために…って頑張る涙ぐましい努力をする公子ちゃんは、この日も大嫌いなピーマン(ママがいつもお弁当に入れてくれている)を目を閉じて、鼻をつまんで食べている。
彼女が食べれるようにいつも椿が翼に声をかけてる。
それは…。
「翼くん、公子ちゃんはねピーマンキライなんだけど、頑張って食べてるんだよ。偉いよね」
そう言えば、子供も子供なりに嫌いなものを食べれるってことで尊敬の眼差しを向けて来る。
翼くんもそうだ。
「公子ちゃん、凄いね。偉いね」
その一言で公子ちゃんのボルテージが更に上がる。
でもお帰りの時には「公子ちゃんバイバイ」じゃなくって、何故か椿に「せんせーまたあしたね〜」ととびきりの笑顔で言って来る。
それを見た公子ちゃんは…。
怖いよ…。
目が。
「せんせー。あたしまけないんだから! せんせーよりももっとおおきくなって、おっぱいももっとおおきくなるんだから!」
悪かったわね。
私のおっぱいは小さいわよ。
言いたい事だけ言いきった公子ちゃんは家政婦さんに連れられて行った。
はー今日も疲れた…。