悲劇
~庭にて~
「レン~早く!」
「待って下さい!ハクお嬢様!」
木の上に座っている少女は下にいる従者、レン・ウィドリーに上から声をかける。
少女の名前はハク・ライトヴォール。ライトヴォール家の長女だ。ハクは短い白髪をなびかせながら周りを見渡す。木の下ではレンが「お嬢様~」と少し涙目になりながら喚いている。
「!」
ハクは何かを見つけたのか木から飛び降りた。
「お嬢様!危ないですよ!?」
レンの注意も聞かずハクは走り出した。レンもその後ろを追いかける。
「あっ…」
レンが見たのは目の前に広がる花畑だった。
「兄様に摘んでいこうと思って」
ハクは楽しそうに花を摘んでいる。
「…ザクス様も喜びますね」
ボサボサになった黒髪を整えながらハクを見て小さく微笑んだ。
~屋敷内にて~
ライトヴォール家の屋敷の廊下を猛スピードで走っていく少女がいた。
当然ハクだ。
「お嬢様?そんなに急いでどちらへ?」
「兄様のところ!お花摘んだの!」
メイドとの短い会話が廊下に響きわたる。
「でしたら花瓶を…」
「レンに頼んだ!」
メイドが言い終わるのを待たずに大きな声で言った。それを言ってすぐに廊下の角を曲がる。
「お嬢様がいるとお屋敷が明るくなるわぁ~」
「そうねぇ…」
そんなメイドの会話はもうハクには聞こえていなかった。
その数分後……
廊下に悲鳴が響き渡ることとなる。
少々長くなりましたかねぇ…
まぁ自分的に満足です!
ここまでを序章にしてもいいなぁ…と思ったことは置いといて。
これが物語の本当の始まりです。
準備はいいですか?