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『彩夏と友達になりたいけど私の癖がじゃまをする!件』 その12話 大好きなお母さん 

「彩夏の親友、美沙」


休み時間になると彩夏の周りには友達がいっぱいあつまってくる。その中で嶽國美沙とは特に仲が良いみたい。親友というやつかな


(いいなぁ、いつも二人で何話してるのかなぁアニメの話かなぁ)


と思いながらふと、美沙が座っている席の横に掛けてある手提げバックに目がいった。その傍らにぶら下がっているキーホルダーは、なななんと!麗しの『ちょび』様ではありませんかぁ!!


『こんな身近にしかも同じクラスに『ちょびらー』がいたなんてぇ!!』と私のテンションは静かに爆上がり!

 

(いや、待て待て、この感情を押さえるんだ!あくまで無表情で誰にも悟られず……。何事もなかったようにさりげなく近づいて、さりげなく声をかける)


私はゆっくりと美沙の背後から近づき優しく声をかけた。


「ちょっと!!!」(ん?ちょっと?なんか違ったかな?)


そして私の声掛けに振り返った美沙と目が合った。そして


「このキーホルダ……」


と美沙の目を見ながら言い始めるとなんと!私を見る美沙の顔が真っ赤になり、目にみるみる涙があふれてくるではありませんかっ!


(えっ?!なんでぇぇ?)


これはヤバい!そう思い目線だけ横にすゝっと動かすと、予想通り彩夏がすごい勢いでこっちに向かって走ってくる!


(なな、なんでこうなるの!?)


私はそそくさと逃げるように教室の外へ出た。彩夏のあの鬼の様な形相からしてしばらく教室に帰れそうにない。だから次の授業のチャイムが鳴るまでトイレに隠れて時間を潰した。

近くにいた子の話、その時の私は腕組みして斜め上、四十五度から見下ろして声掛けをしたらしく、とても怖かったそうだ。またやってしまった……初めて遭遇した『ちょびらー』に興奮し、そして緊張していたからかぁ……美沙ごめんなさい。




【お母さんのこと】


 大好きなお母さん。私のことを誰よりも分かってくれているし、いつもどんな時も私の味方をしてくれる。そんなお母さん、元はモデルのお仕事をしていた。


モデルになったきっかけは塾の帰りに街でスカウトされたそうだ。性格は可愛いというかほわっとしてるというか、まぁ悪く言えば天然な所が多々ある。どれくらい天然かと言うと一つ例を挙げれば『北日本』と『南日本』は北と南に日本が二つあると最近まで思っていたらしい。


それと、これはお母さん本人に聞いた話だけど、小学校の卒業アルバムに書く『私の将来の夢』に同級生は『弁護士』とか『ニュースキャスター』とか書いてるのにお母さんは『かわいいお嫁さん』と書いたんだって。でも本当は先生に『好きな人と結婚する事』と書いて出したけど先生にそれはちょっと小学生らしくないからと書き直しをさせられたんだって。でもお父さんと結婚して幸せそうだから夢が叶ったんじゃないかなって私は思ってる。

ちょと天然だけど優しくて美人のお母さん。お母さんの前では素直な櫻子になれる。

 


【ジーンズとTシャツ】


週末お母さんとよく買い物に出かけるけどその帰りに行きつけの洋服屋さんに立ち寄る事があった。そのお店は、お母さんがモデルの頃にお世話になっていたお店らしく、結構有名なブランドのお店らしい(私はよくわからないけど)

お母さんのセンスは、元モデルだけあって抜群! 季節の流行色や流行りのデザインを考えて選んでくれる。

「みてみてぇ、これ櫻子に合うんじゃない、ちょっと着てみて!」


と言いながら何着も私に似合いそうな服を選んでコーディネートしてくれる。確かにお母さんが選んでくれる服はおしゃれでかわいいし、かっこいいけど私……あまりというか洋服には全然興味がない。でも、最近さやかみたいにジーンズやTシャツやパーカーを着てみたいなぁと思うようになった。そう……さやかみたいに。そうしたら仲良くなれるかなぁって。


そしてこの前、お母さんに思い切って言ってみた。


「わ、わ、私、今度はジーンズ履いてみたいなぁ」


自分なりに勇気を出して言ってみたけど、お母さんは服選びに夢中で聞こえていなかったみたいで


「えっ、櫻子ぉなぁに?何か言ったぁ?」


と聞き返された。私は、


「う、ううん、なんでもない」


と言って返した。お母さんならジーンズを選んでもきっと『似合う』って言ってくれる、いや絶対言ってくれる。でも私の為に一生懸命考えてワンピースやブラウスを選んでくれている、そんなお母さんの気持ちを無駄にしちゃいけない、そう自分に言い聞かせている。


       私にジーパン似合うかなぁ……と思いつつ続く!


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